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レガリア英雄記  作者: 27サグマル
邂逅~「蒼神」再起~
3/213

はじまりの依頼

 そして十分後。

「誰?」

 ティルナが疑問に思うのも、当然といえば当然だった。猜疑心を隠そうともせず、寧ろ全面的に押し出すその姿勢は威嚇に近い。

青い瞳に正面から鋭く射抜かれ、案の定、少女は気圧されているようだ。


「じゃあ簡単に自己紹介するか。俺はクレス・ガルセインだ」

「……ティルナ・アンファング」

「私は、リアラです」

「フルネームは?」

 間髪入れずにティルナが問う。その語調は刃のように鋭い。

「え? あ、すいません、リアラ・バーズと言います」

 何か引っかかったが、悪意は感じられない。敢えて気にせずクレスは先を促す。

「で、依頼ってのは何なんだ?」

「私をミクスブルグまで護送して頂きたいのです」

「よし、引き受けた。それで報酬は?」

「報酬………………報酬は、紙幣で五万Rレドほど……です」


 Rは大陸で流通している通貨。缶ジュースが一本百R前後である。


「ああ。ただ……」

「何でしょうか?」

「俺らもここには用がある。今日は調べ物をしたいから、出発は明日。それで良いか?」

 それを聞いたリアラは少し考える素振りを見せた後、首を縦に振った。

「はい。分かりました」

「じゃあ行くか」

 支払いを済ませ、クレスたちは店を後にする。



 ここフォルトナは、レガリス大陸の南東部に位置するレガリア連合を構成する無数の小国の一つ、ラコントルの片田舎だ。

 大陸は元々、今となっては名も忘れ去られたある興国に統一されていた。が、興国末期に相次いだ反乱により国は分かれ、現在は主に四つの勢力が大陸を四分している。

 

 ――四神、十二星と呼ばれる百戦錬磨の将軍を擁するガルディア帝国。

 

 ――これに匹敵する戦力である十天将を従え、さらに『絶対結界』により国境に完全な防御ラインを敷くアルヴェニア神国。

 

 この二国の傍で自治を保っているのが、大陸史上最低の国家とまで呼ばれるフォリア聖皇国。

 対外的には国民と資源を盾にして圧政を敷くこの国は、かつての戦役の折にガルディア・アルヴェニア両国から流れ出た貴族階級が支配している。


 最後の勢力となるのが、大陸を東西に分かつクリニエル山脈で上述の西部三勢力と切り離されたレガリア連合である。


 最近、連合の一小国に過ぎないルナリア皇国の騎士団が突如として強引にクリニエルを突破、帝国へ向かう進路上で大虐殺を行う事件が発生した。

 騎士団は四神朱雀によって全滅したが、同時期に妖魔――種族は多岐に渡る、人類に敵対する存在――の大規模な侵攻を受けてルナリア本国も壊滅。

 ルナリア周辺の秩序は崩壊し、これまでかろうじて続いていた平穏が破られようとしていた……


~露骨な説明は、もう当分ありません~

ちなみにレガリス大陸については、四国とかオーストラリアが山脈で東西に分けられている感じです。

 物語はしばらく東側で進みます。。

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