製沼魔
硬い樹皮を持つ木々に囲まれた沼からは、魔物が次々と湧き出している。
「これが、今回の大量発生の原因か」
「みたいだな。とりあえず焼くか――『爆炎波』!」
クレスの手から放たれた火球が溶岩の波濤となって沼に迫る。
次の瞬間、沼が身を捩るように形を変えたかと思うと激しい風を巻き起こした。
水でも泥でも、まして魔物でもない反撃に意表を突かれたクレスが手を打つより早く、風は小規模な竜巻となって十人を巻き上げ吹き飛ばした。
「しまったな……」
「とんでもない依頼だったわね」
「まったくだ」
反応が遅れたことを悔やむクレスの側には、アーヴィンと一緒にいた狩人の剣士と手斧使い。
「――世話の焼ける」
「きゃっ!?」
「よっと」
木の一本に串刺しになりそうだったリアラを空中で抱え着地するキィン。
少し遅れてアーヴィンも地面に降り立った。
「……不覚」
「ツまラん相手だ」
「とりあえず、リアラさんたちと合流しましょう!」
「そう、ですね」
各々ぼやくティルナ、グラシャラボラスと共にいるのはジェスと狩人の銃士。
結果として三組に分断されたクレスたちは、互いに合流するため行動を始めた。
一方、沼の方でも新たな動きがあった。
これまでの魔物より格段に大きな三つのシルエットが沼から這い出す。
そして残った沼もスライム状に姿を変える。
その中央で、無数の角を生やした眼球が赤い光を放った。




