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レガリア英雄記  作者: 27サグマル
諸国漫遊編
175/213

ヤマト

 妖魔の襲撃から一夜明け、船は無事ヤマトに到着。

 問題のグラシャラボラスが消耗しきっていたこともあり、拘束用の呪具の装着は簡単に終わった。


「じゃあ、今回は少し祭りを楽しんだら次の船で帰るぞ」

「? 分かりまし――」

「何しに来たんだお前」

「っ!」


 いつの間にかすぐ傍にいて、話に割り込んできた浴衣姿の男がいる。

 クレスは即座に逃亡の様子を見せるが、マントの裾を掴んだ男に引き戻される。

 壊れかけのゴーレムのような動きで振り返ったクレスは、男の陰に隠れている少女の姿に気付くと更に身を強張らせた。


「七年来の再会だってのに連れねぇな」

「そだよー」

「……コウマ、ヤクモ。久しぶり……だな」

「コイツはよぉ!」

「まったくー!」

「ちょっ、待――のわぁ!?」


 諦めたように肩の力を抜いたクレスは、飛びかかった二人に抱きしめられて悲鳴を上げた。

 抜け出そうとするクレスだが、二人は一向に離そうとしない。

 やがて抵抗を諦め、為すがままになる。


「――それにしても、よく俺だって分かったな。七年ぶりだろ?」

「それはお前もだろ」

「見れば分かるよ。でも、今回は普通に船で来たんだねー?」

「泳いでだと一人でしか来れないからな。っていうか、出てるなら普通に船を使うさ」

「ああ、昨日は世話になったらしいな」

「別に大したことはしてねぇよ」


 照れたようにそっぽを向いたクレスは、ぽかんとしているリアラたちに気付いて咳払いをした。


「あー、正直覚えられてるとは思ってなかったが……七年前に世話になった奴らだ」

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