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レガリア英雄記  作者: 27サグマル
諸国漫遊編
173/213

異形の海魔

「アレは……!?」


 炎球の明かりの下に浮かび上がった海蛇(シーサーペント)の姿に、ジェスが絶句する。

 それは形こそ海蛇の物だが、吸盤に覆われた蒼白の身体には海藻がびっしりと張り付いている。

 そんな異形の群れが、襲い来る魔法を時に奇妙な動きで躱しつつ、護衛船団にその牙を剥いていた。


「あの船の動きは、一体?」

「気にするのそっち――って、知らずに見たならしょうがないか」


 つんのめりかけたクレスだが、途中で納得して早口に説明する。


「ヤマトの船は、船人って奴らが一隻につき十人前後で憑依して直接動かしてる。付喪の秘法って奴で、船のダメージもフィードバックする」

「そうなんですか……」


 クレスは焦りを滲ませつつ、海蛇たちを睨みつける。

 かと思うと、焔を解き翼と尾、副腕と二対の両剣を生成して構えた。


「尾が出てこない」

「え?」

「吸盤もそうだが、もしアイツらが海魔(クラーケン)の足だったら嫌だと思わねぇか?」

「……それは、困る」

「ジェスとリアラは待機。ティルナは、ここからって事がバレないようにしながら支援頼む」

「……分かった」


 クレスは船を飛び出し、手近な海蛇に斬りつけていく。

 焔は本来なら刃の効きも薄い吸盤も容易く蝕むが、海蛇には特に効いた様子はない。

 四つの焔刃で海蛇に無数の斬線を刻み、クレスは次の海蛇へ狙いを移して飛びかかった。

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