神狼計画
まだ周り置き去りにして二人で喋ってます
クレスがナベリウスに受け取った紙に記されていたのは、神狼計画という組織の連絡記録と拠点を示すらしい地図だった。
その連絡相手は主に求神の学徒で、派閥は多岐に渡っている。
「復讐か?」
「まーそんなとこれすねぇ」
「そのくらい言ってくれりゃ手伝うのによ」
「たぶん皆さんならそう言うと思ってたんれすけどぉ」
クレスと世間話のように言葉を交わすナベリウスを視つめるリアラだが、その感情は上から蓋をしたように平坦で変化が窺えない。
せめて自分が言うべき言葉、聞くべき言葉を逃すまいと意識を集中させる。
「やけにあっさりと事情を明かすけど、それってまだ裏があると見て良いんだよな?」
「そーゆー勘繰りを面倒臭いって言うんれす」
「だってお前、まだ一人で復讐しようとした理由に触れて無ぇだろ」
「一人で、れすかー」
「ん……もしかして、いつか言ってた二つの人格のことか?」
「よく覚えてまふね」
「忘れるような情報かよ」
ナベリウスの返事に記憶を辿ったクレスは、死の森を退けた後に彼女が話していた別人格に思い至った。
その確認にナベリウスは肯定の意思を示す。
「わらしは三人殺した屍に宿ってるようなもんれすからー。彼女らはきっと、自分の復讐に他人が手ー出してくるの嫌がりまふし」
「……三人?」
「隠すよーなことれもありまへんし、お望みなら語りやしょぅかー。ま、被検体にゃあよくある話れすよ」




