場合によりけり
見渡す限りの草原を走るナベリウスがふと足を止めるのとほぼ同時、その四方を囲むように地面から土人形が現れた。
ナベリウスはポケットから折れた大剣を取り出し、右のゴーレムをすれ違いざまに斬り裂く。
斬られたゴーレムは動きを止め土塊に戻った。
「――ったく、無駄だったか。上手いこと隙が出来ねぇかと思ったんだがな」
「……クレっさん?」
残ったゴーレムも土に還る中、クレスは最初にナベリウスの背後に現れた一体の影から姿を見せる。
ナベリウスは剣こそ収めたが、状況を判じ難いからか片手はポケットに突っ込んだままだ。
クレスの後ろからは、隠蔽魔法を解いてリアラたちも進み出る。
「こりゃまた皆さんお揃いれすねー。ヤマトに行ったんじゃなかったんれすか?」
「正直に言や俺は放っといて良いと思ってたんだが……まあ、何も言わずに別れるんじゃ納得いかないことだってあるだろ?」
「そーゆーのはストーカーの考え方れす」
「場合によりけりって奴だよ。で、さっきから見てる紙は何なんだ?」
珍しく沈黙するナベリウスは様子を探り合うようにクレスと対峙していたが、不意に肩の力を抜いてポケットの手を外に出した。
持っていた紙をクレスに軽く放つ。
「――『神狼計画』?」
人の出番をごっそり奪っていく過保護の図




