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レガリア英雄記  作者: 27サグマル
諸国漫遊編
134/213

何時か、また

「じゃあジェスに仕込まれてた魔法も解けたことだし、そろそろ出発するか」

「道のりを考えると……そうだな、セポルの事件を解決するまでは私も一緒にいよう」

「そうか、助かる」

 その時、ぐぅ、という音が鳴った。

 自然と発生源に視線が集まった先では、イポスが照れたように曖昧な笑みを浮かべていた。

「そういえば、ご飯まだでしたね」

「店はこの騒ぎじゃ厳しいだろうしな。食材があるなら私が作ろう」

「……野菜しかない」

「じゃあ先に一っ走り狩って来る。街の南、適当なところで落ち合おう」

 言うが早いか駆け出したクレスを、残された面々は苦笑で見送った。


「ところで、イポスさんはこれからどうするんですか?」

 出発の身支度をしながらリアラが尋ねると、イポスは葛藤するような沈黙を挟んで口を開いた。

「……とりあえず、僕は残って少しでも復興を手伝うつもりです。僕も一つ聞きたいことがあるんですけど、良いですか?」

「もちろん、遠慮なくどうぞ」

「リアラさんたちは、何のために旅をしてるんですか?」

 一見して何の変哲も無い問いに、リアラは少し考える素振りを見せた。

「多分、イポスさんには言っても大丈夫だと思うんですけど……どうでしょう?」

 リアラの迷いとは対照的に、ティルナたちはあっさりと頷いた。

「……別に。好きにすれば良いと思う」

「リアラが信用できると思うなら、良いんじゃないか?」

「まー大丈夫れしょ~」

「多分クレスさんなら止めないと思います」

 その反応にリアラは小さく息を吸い込むと、はっきり告げた。

「私は自由騎士団の方々にも助けて頂いて、ルナリアの跡地に国を興そうとしています。だから私の旅の目的は、そのための情報収集と人材集めです」

「……!」

 流石に驚いたらしいイポスは目を丸くするが、疑っていないのは感情を視るまでもなく明らかだった。

 出会ってから一番と言っても過言ではないレベルの逡巡の後、イポスは背負っていた袋から水晶を取り出した。

「あ、あの、登録しても良いですか! 力が必要なら何時でも駆けつけます!」

「良いんですか?」

「ちぇーい!」

「「あっ!」」

 リアラが聞き返した時、横から入り込んだナベリウスが二人の水晶の登録を先に済ませる。

「どーせ登録するなら早くしないと、クレっさんが待ちくたびれるれすよ~」

 そう言ってナベリウスは身を翻し、一足先に外へ出ていった。

「えっと、それではイポスさん……お世話になりました。強くなって、次こそ私が守ってみせます」

「その、ありがとうございます。じゃあ……何時か、また」

 遠ざかるイポスの背を見送ると、リアラたちも診療所を後にした。

という訳で、イポス離脱です。

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