瘴術
クレスは焔で身の丈ほどもある大鎖鎌を生み出すと、鬼たちの只中に飛び込んだ。
「まずは雑魚から蹴散らす! 『鮮紅散華』!」
「当然! 刈り集めろ『魂喰らい』!」
ほぼ同時に飛び出したクレインは霊装を纏った状態で漆黒の鎌を振るい、鬼の首を複数まとめて飛ばす。
「まったく、無茶苦茶な人たちれすね~!」
呆れたような声を上げたナベリウスは、四肢に纏わせた帯を刃状にして鬼の首を掻き切る。
一体の鬼を辛うじて仕留める程度の範囲と威力だったが、次々と獲物を仕留める速さで以て結局二人と変わらないだけの戦果を上げている。
そんな三人が取り逃がした鬼たちは、残るティルナとリアラの元に殺到した。
「リアラ、大丈夫?」
「た、たぶん! 『界』ッ!」
「「「ガギャ!?」」」
展開された結界は、いつか模倣した火界呪より強固に鬼を阻む。
「上出来。――『凍嵐』」
結界と魔力を同調させたティルナが放った吹雪は、結界に取り付いていた鬼を一瞬にして凍らせる。
「砕けろ」
ティルナが命じると、氷像と化した鬼たちは微塵に砕け散った。
「これで残るは――、ッ!?」
瞬く間に鬼たちが全滅した後、巨腕を見上げたクレスが息を呑んだ。
巨腕の周りに、大量の魔法陣が展開されていたのである。
「妖魔が、魔法!?」
素早く集まったクレスたちは各々の結界を編んで妖魔の魔法に備える。
十以上展開された魔法陣の内、五つが墨色の光を放った。
放たれた瘴気の奔流の四つは見当違いの方向へ飛んでいったが、一つが結界に直撃した。
「マズい、避けろ!」
一番外側に張っていた火界呪に掛かった負荷にクレスが警告する。
四重の結界は容易く破られ、クレスたちは発生した爆風に吹き飛ばされた。
最後あっさり結界が破られたのは、咄嗟に張った即席だったことと魔法と瘴気の相性が原因となっております。。




