表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その拳にご注意を  作者: ろうろう
77/136

75話 キングの再訪

帰路は非常に順調だ。

一度通った道と言うことが大きいのかもしれないが、実にすんなりと進む。

それでもかなり日数は経っているが、徒歩の旅としては順調なものだった。

途中で魔物にも出会ったが、ポーラが燃やしてみたが、火力が高すぎることが判明した。

流石に焦げ肉は食べたくない。

食べれない魔物だけを燃やすことに決めた。


サムハンの居る街まで辿り着いた。

家までは徒歩でも一か月もかかるまい。

もうここまで来ると、旅と言うよりも観光気分になる。

何か良い物でも無いか、二人で買い物に向かった。

無かったと言えば無かったが、あったと言えばあった。


ポーラさんのエロ衣装の原点のお店に連れていかれてしまったのだ。


「キング?!」「キングがいらっしゃったぞ!」「あれがキング・・・」


店内が一瞬騒然となった。

そして、何故か店内に緊張感が走った。

そんなことに気付かないポーラは、良い笑顔で修の手を引いて女性用の服売り場に引っ張って行った。

修は、入店した直後に疲れた顔を浮かべた。


選ばれし変態共が遠目にその様子を見て、各々呟いていた。


「ほぉ・・・」「流石だ。基本が分かっているな」「お耳はぁはぁ」


一人、手遅れなのが混じっていた。


ポーラは服を選んだ。

いちいち修に聞くため、とっても時間がかかってしまうのだ。

そして聞かれるたびに、修の瞳から輝きが失われていく。

ポーラは結局、普通の服と、ちょっと丈の短い服を買った。

丈が短いのは、家用だ。


ポーラは更に、修の手を引っ張り、今度は男性用の服売り場に連れて行った。

そして服をとっかえひっかえ、修の体に当てていく


「ふむ・・・」「・・・・・」「僕の服も選んでぇ・・・」


選ばれし変態共は、ただのカップルの様な二人の行動を注意深く観察している。

ポーラが修の分の服を決めた。

修は既にレイプ目になっていた。


半分魂が抜けている修の手を引っ張り、ポーラが魔窟、女性用下着コーナーに連れて行った。

更にその奥の、エロ衣装コーナーに直進だ。


「やはり・・・」「流石はキングだ」「尻尾もふもふしたいよぉ・・・」


選ばれし変態共は呻いた。


流石にエロ衣装は、前回来た時からはあまり増えていなかった。

ポーラが難しい目でそれらを見回していると、修の魂が帰って来た。

魔窟に居ることに気付いて、「っ?!っ?!」と挙動不審になりはじめた。

そんな修を背に、ポーラが次から次へと未購入のエロ衣装を手に取って行く。

これでしばらくは戦える。


「あんな堂々と!?」「くぅ・・・!噂は本当だったか!」「くんかくんか」


選ばれし変態共は驚嘆した。

約一名は、ポーラの居た場所で匂いを嗅いでいた。

店員にご退場願われて叩き出されていた。


ポーラはチラリズムどころかオープンになっているパンツを手に持ち、「こういうのがシュウ様のお好みですよね!」とか言っている。

修は顔を手で覆ってぷるぷるしていた。

もう修の精神は0だ。

もうそろそろ勘弁してあげて欲しい。




その日は買い物で時間をかけすぎたし、修が半分ゾンビ状態になってしまった。

その為、余分に一泊追加して、翌日にサムハン達と会うことにした。

ちなみにポーラが新規購入したアイテムを装備すると、修はハッスルした。

二人っきりなら恥ずかしくは無いのだ。

お仕置きと称してたっぷりと楽しんだ。

ポーラもお仕置きされたのに、とっても艶々してしまった。




翌朝、ギルドでサムハン達を待った。

修達と同じようなペースで迷宮に潜っているらしいので、昼前くらいからギルドで待機だ。

待つとそれほど時間をかけず、サムハン達が現れた。


「お久しぶりです」


今回は修が先手を取ってあいさつした。

ちなみに、別に対抗意識とはかもっていない。


「っ!久しぶりだね、シュウ君、ポーラ君」


サムハンは驚きながらも、嬉しそうに微笑んで挨拶を返した。


「温泉はどうだった?」


とても安定感のあるハンサムスマイルを浮かべて問いかけて来た。


「最高でした!出来ればまた行きたいですね」


修は温泉を思い出し、満足そうな顔だ。

ポーラもうんうんと頷いている。


「そうか。私達もいずれは、っと。・・・そういえば、あの後私も調べてみてね。温泉にドラゴンが出ると聞いて心配していたんだよ」


サムハンは修達を見送った後、温泉について調べたそうだ。

勤勉なことである。

しかし調べた結果、ドラゴンが住んでいることをしり、しかも目覚める時期だと知って心配していたのだ。


「ああ。倒しました」


修は実にあっさりと答えた。


「・・・・・・・・・・・・ポーラ君の腰の?」


サムハンの目がポーラの腰に向けられた。

ドラゴンっぽい剣が腰に吊り下げられている。


「はい。そうですね」


やはり修は頷く。


「・・・そうか。これでいつでも温泉を楽しめるんだね。ありがとう、シュウ君」


サムハンの動揺は小さかった。

前回ミラードラゴンを倒していることを知れたため、耐性がついていたのだ。

しかも大人の対応まで返してくる。

やはりハンサム。


「いえいえそんな」


修は謙遜したが、本来であれば胸を張っても良いレベルである。




そこからまた場所を変えて、話し合った。

修はサムハンとガザリーと。

主に戦い方とかそういう真面目な話をしていた。


ポーラは、シャラと何故かカリアに温泉の話をしていた。

温泉での修とキャッキャウフフ話を披露し続けていた。

シャラはその話を聞き、サムハンとの嬉し恥ずかし温泉デートを妄想して、目を輝かせていた。

カリアも同様だった。

実際に温泉に行った時、果たしてカリアさんはどうするのだろうか。

まさか、取るのだろうか。


話しがひと段落したところで、サムハンがやる気を出した。


「そうそう。私達も強くなったんだよ。また訓練をお願いしても良いかな?」


見ると、サムハンがレベル23になってる。

とても頑張っていたのだろう。


「あ、はい」


修も快諾した。

各々が椅子から立ち上がり、目にやる気を満ちさせた。


「・・・加勢します」


まずポーラがサムハン達に加勢を告げる。


「うん、助かるよポーラ君」


サムハンは有難そうに頷いた。

幾ら強くなっていても、4人だけでは前回の二の舞だと思っていたのだ。

ハンサムは謙虚でもあったのだ。


「私達も前回とは違いますよ!今回こそは!」


シャラは自信に満ち溢れていた。

最近では、サムハン達の動きについて行けるようになったのだ。


「うふふふふ。みんなで頑張ったのよね」


カリアも笑いながら、瞳に自信が溢れている。

アレな人だが、探索者としては真面目な人でもあるのだ。


「若いのにあれだけ差をつけられてはな。大人として多少は、な」


ガザリーは相変わらず渋いことを言った。

目は寡黙に伏せられているため自信のほどは伺えないが、やる気はあるようだ。


場所を移した。




ポーラが本気を出せる様に、街を出て、外で戦うことにした。

やる気十分である。


「ではやりましょうか」


修が構えもせずに、余裕で言った。

サムハン達4人は見事なコンビネーションで。

ポーラもそれに合わせた動きで、修に躍りかかった。

30秒後。


「・・・・・・・・不覚」


サムハンは相変わらず、額を腫らしてもハンサムだ。

秘訣を教えてもらいたいくらいだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


シャラは1秒16連射のデコピンに耐え切れず、失神していた。


「・・・・・・・・・・・・・・・なに、これ・・・」


魔法をデコピンでかき消されたカリアが、呆然と地面に膝をついて打ちひしがれていた。


「・・・・・・・・・・・・・まだまだ、か・・・・・・」


ガザリーは相変わらず渋い声だ。


「・・・・・・・・・・・・シュウ様、流石です・・・・」


そして一番デコピンを叩き込まれたポーラも、大の字になって倒れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ