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その拳にご注意を  作者: ろうろう
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41話 恐怖の形は一つではない

数日後、サムハンのPTメンバーが街に帰って来た。

修とポーラとは解散になるが、サムハンが是非にと誘ってきたので、最後に挨拶をしておくことになった。

現れたのは、剣と杖を腰に挿したエルフと、槌と盾を持った人間の男だった。


「初めまして。カリアです」


まずエルフが名乗った。

とっても美人だが、胸がぺったんこだ。

スカートから覗く、すらりとした脚線美が眩しい。


「カザリーだ。サムハンが世話になったようだな。礼を言わせてくれ」


次に、もう一人の男が頭を下げて来た。

強面だが、実に落ち着いた声だった。


「シュウです」


「ポーラです。こちらこそお世話になっております」


修とポーラも頭を下げた。

好奇心に駆られて鑑定をした。


----------------------------


LV.15

カリア

森エルフ:♂

24


剣士LV.10

火魔法LV.12

水魔法LV.13


『探索者』


----------------------------


----------------------------


LV.16

ガザリー

人間:♂

27


鈍器士LV.16

治療魔法LV.12


『探索者』


----------------------------


やはりカリアは魔法も使えるようだ。

ガザリーは回復要員だ。

僧侶系だろう。


「・・・ん?」


修はおかしなことに気付いた。

再び鑑定を使う。


----------------------------


LV.15

カリア

森エルフ:♂

24


剣士LV.10

火魔法LV.12

水魔法LV.13


『探索者』


----------------------------


見間違いかと思った。


----------------------------


LV.15

カリア

森エルフ:♂


----------------------------


見間違いではなかった。

修は呆然とカリアを見つめた。


「・・・おと」


口を開きかけた瞬間、カリアの腕が俊敏に動き、修の口を塞いだ。

周りが呆然としている中、カリアは美しい笑顔を浮かべた。


「ちょっとこっちに来ましょうか・・・」


呆然とする皆を残し、ずるずると修を引きずって行った。

見た目からは想像もできない恐ろしい力だった。

そして全員の視界から隠れると、カリアは艶然と微笑んだ。


「変なことは口にしては駄目よ。ボウヤ・・・」


その顔だけを見れば男だとは信じられぬ。

しかし、よく見ると胸は全く無い。

スカートも不思議と大きく広がった形をしている。

まるで股間の形を隠しているかのようだ。


しかしそれよりなにより、今のカリアからは何か恐ろしい気配を感じる。


「は、はい。分かりました・・・」


何故か逆らってはいけないと直感で理解した修は、慌てて頷いた。

カリアは、「ふふっ」と微笑むと、その細い指で修の鼻をつんと突いた。

修の背筋に怖気が走った。


「ふふ。物わかりの良い子は好きよ・・・。ご褒美に少し遊んであげましょうか・・・?」


ナニをすると言うのだろうか。

修は竦みあがった。


「ひぃっ!え、遠慮します・・・」


修は必死で首を振った。


「あらそう。残念ね・・・」


カリアは実に残念そうに呟いた後、修の体をじろじろと舐める様に見つめて、「ふふふ」と笑った。

修は泣きそうになった。




帰って来た修とカリアを見て、サムハンが不思議そうに首を傾げた。

修は何故か蒼白な顔をしている。


「何だったのかな?」


「何でもないわよ。ね?」


カリアは、サムハンの腕に抱き付きながら修に流し目を送った。

シャラがムッとした顔をして、反対側の腕に抱き付いていた。


「はい。何でもないです・・・」


修はカリアから目を逸らして頷いた。


「そうか・・・?」


サムハンは不思議そうに修とカリアを見つめたが、すぐに気にないことにした。

ポーラは、青白い顔の修の腕を心配そうに抱きしめた。

おっぱいがとても修を癒してくれた。


そこからは多少雑談をした。

PT戦の心得など、各自の役割などを教えてもらえたので、とても有意義だった。


「では、いつかまた会おう」


日が暮れるころに、修とポーラは彼らと別れた。


「はい。では、お元気で」


「・・・・お元気で」


修は何故かカリアに気に入られたらしい。

事あるごとに二人きりになろうとするカリアの攻撃を必死で回避し続けた修は、帰宅時には疲れ果てていた。

ようやく解放された修は、カリアをちらりと見た。

サムハンの腕に抱き付いていた。

修はサムハンの冥福を祈った。




相変わらず、ポーラは自分のベッドを使わない。

この宿でも、未だ椅子や荷物置きとしてしか使っていないのではなかろうか。

ポーラは、全く隠せてないスケスケを着込んで修のベッドに入って来た。

そんな状態でも、チョーカーとバングルだけは外さないのだからいじらしい。

ポーラは修の首に両手を回して体を擦り付けて来る。


アレの弾力も素晴らしいし、肌ももちもち、髪もさらさらだ。

実に素晴らしい。

修も手を伸ばして、ポーラの背中を撫でた。

大きい物が更に押し付けられて、大変素晴らしい。

修がポーラに癒されていると、ポーラが耳元で囁いて来た。


「シュウ様、あのカリアさんは・・・」


ポーラは匂いで気付いていたのだろうか。


「・・・うん、男だったよ。内緒でお願い」


修は遠い目をした。


「・・はい」


修の傷心を察知したのだろうか、ポーラが更に体を擦りつけて唇を覆って来た。

存分に味わうと、ポーラは甘えた声をあげた。


「・・・シュウさまぁ」


たまらん。


「ポーラ・・・」


修もポーラに応えた。

ちなみに、最後までスケスケを着せたままだった。

修は中々にマニアックだった。

感想で変なことを言う人が居るからこんなのが出てきて・・・!

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