114話 イチャコラしました
修がアスカンとセイントをあしらったのを見て、ポーラはとてもやる気になった。
「シュウ様、私もお願いしてよろしいでしょうか?」
女性用下着を見に纏った男二人が失神している横で、進み出て来た。
「うん」
外で失神した人を放っておくわけにもいかないので、時間をつぶしがてら出来るだろう。
修は了承した。
ポーラさんはまだセイントよりも弱いので、結局全て捌かれて終わりだ。
そうこうしている間に、セイントとアスカンが目を覚ました。
「…まだまだか。またいつか手合わせを願う」
アスカンは疲労でだるそうにしながらも立ち上がった。
「はい…」
この様子なら付き添いは必要ないだろう。
「では行くぞアスカン。もっと連携を練らねば」
セイントは、まだ膝をついているアスカンに肩を貸して立たせてやりながら、再戦に向けてのシミュレーションを始めていた。
「じゃあな。次は目に物見せてやるぜ」
アスカンも億劫そうに立ち上がり、去り際には修に好戦的な笑みを浮かべていた。
まだまだやる気に満ち溢れている。
その前に履き替えろよ、そのパンツ。
ポーラの疲労も溜まり、良い時間だったので、この日はポーラも迷宮には潜らなかった。
しかし、時間がある分、ポーラが腕によりをかけて料理を作ってくれた。
新しい料理がいくつも並んでいる。
一体どこからレシピを仕入れているのだろうか。
「これも美味しいよ、ポーラ」
春巻きっぽいなにかをもぐもぐと咀嚼しながら、修がポーラに感想を伝えると、ポーラは嬉しそうに笑った。
「ありがとうございます!…こちらも自信作なんです…」
そして続けて、シュウマイっぽい何かを一つ取り、修に差し出してくる。
修は口を開けて、ポーラの箸から直接食べた。
「あーん。うん、美味しい!」
もきゅもきゅと咀嚼し、また修に笑顔が咲く。
ポーラは益々嬉しそうだ。
ぱふんぱふんと尻尾が椅子を叩いている。
「良かった!これも如何でしょうか?」
今度は煮卵っぽい何かを修に差し出してくる。
でかいが、修は大口を開けて一口でほおばった。
「う~ん美味しい!ポーラは凄いね!」
ほっぺたをリスの様に含まらせて、幸せそうだ。
ポーラは尻尾がはちきれそうになっている。
「ありがとうございます…。シュウ様、私もそれを頂けると…」
そして修の手元にある春巻きっぽい何かを催促する。
「これ?」
修が春巻きっぽい何かを掴もうと思ったが、
「はい。あ、大きいので、そちらを頂ければ」
修が齧って半分になったものを催促して来た。
「食べ掛けだけどいいの?」
「はい…」
ポーラは実にいい笑顔で頷いた。
「はい、あーん」
修があーんをし返してあげた。
「あーん」
ポーラは小鳥の様に口を小さく開けて、修の食べかけの春巻きもどきを食べた。
とっても嬉しそうだ。
「ふふっ。ポーラは可愛いなぁ」
満面の笑みで口を動かすポーラを見て、修がほっこりした。
「そんな…。ありがとうございます…」
ポーラは頬を染めながらも、否定しない。
恐ろしい娘である。
そしてこんな桃色空間を全く意にも解さず、平気な顔で水をぐびぐび飲むカファは凄い。
げふーっと、空気まで吐いている。
そしてその日の夜。
恒例行事の様に、ポーラが修の部屋に現れた。
「シュウ様、ご一緒してもよろしいでしょうか…?」
最早枕すらも二人用である。
聞くまでも無いことだが、ポーラは毎回聞いて来る。
「おいで。もう毎日来てるね」
修は苦笑してポーラを迎え入れた。
ポーラはベッドに入り込むと、そのまま修にしなだれかかって来た。
大胆。
「はい…。でも、シュウ様がいけなんですよ?私にあんなことばかり教え込んで…」
ポーラは責めるような口調で、修の首筋に頬を寄せた。
「ごめんごめん。ポーラが可愛いからついね」
修はポーラを抱きしめてながら謝った。
悪気は0だったが。
「今日は意地悪しちゃイヤですよ…?」
ポーラもしっかりと修に抱き付いてきた。
口ではそう言いながらも、凄く期待した声色だった。
「頑張るよ」
修はそう言いながら、ポーラの丸いお尻を撫でた。
「きゃっ!イヤっていったのにぃ!」
ポーラはいやいやと首を振りながら、修に体を擦りつけて来た。
スポンジが。
スポンジがどえらいことになってはる。
暗闇に慣れた修の目が、ポーラの着ている服を見た。
背中が完全に開いた大胆なネグリジェだ。
お尻が半分も見えていて、下着は穿いていない。
素晴らしい
「ポーラは今日も凄いのを着てるね」
修がポーラの白いお尻と背中を撫でまわしながら感慨深く呟いた。
「…シュウ様のせいですよぉ」
ポーラは甘えた声で囁く。
「ふふふ。責任は取らなきゃーッ」
修がハッスルしようとしたところで、ポーラが修の口を塞いだ。
実に情熱的だ。
「今日は私がしますから、動かないでくださいね?」
ポーラは艶っぽく微笑んで、修の腹の上に腰を落ち着けた。
修はポーラを見上げると、既に服が肌を隠していなかった。
絶景かな。
早く爆発しないかな。
数時間後、息も絶え絶えな様子のポーラがベッドの上で突っ伏していた。
「…私が動くって、言ったのにぃ…」
嬉しそうな悔しそうな声だった。
服など、とうの昔に床の上に落ちている。
「我慢できなったんだ。ごめんよ、ポーラ」
修は気だるげな雰囲気を漂わせるポーラを抱き寄せ、頭を撫でてやりながら謝った。
「あぅぅ。シュウ様はいつもひどいですぅ…」
ポーラは目を細め、修の首に顔を埋めながら囁いた。
「ごめんごめん。…じゃあそろそろ寝よう。おやすみ、ポーラ」
気付けばいい時間である。
修は目を閉じた。
「おやすみなさい、シュウ様…」
ポーラも目を閉じると、すぐに根息を立て始めた。
体力の限界でごわす。
その頃、カファは実に健やかな寝息を立てていた。
一方その頃、どこかの街で。
深夜であるにもかかわらず、一人の男性がとある家のドアをノックしていた。
「ガザリー!ガザリー!泊めてくれ!」
押し殺した叫びながらも、必死さが伝わって来る。
「…やれやれ」
寝ようとしていた渋い兄貴は、もう何日連続かと考えながらも、ハンサムを家に入れてやった。
シャラとカリアの猛攻が凄まじく、家に居ると押し入られるのだ。
ガザリーは娘二人(!?)に説教をすることを決めた。
セフセフ?