08話 やりすぎですご主人様
翌日はカマンに丁寧に礼を述べ、朝から購入した家に向かった。
ポーラと話し合って、部屋の模様を決めていると、昼前には家具が届いた。
「それはこちらにお願いします。ベッドはこちらに」
ポーラが張り切って指示を出していた。
修の部屋にもちろん張り切っていたが、自分の部屋が出来上がるのを嬉しそうに見つめていた。
服が届けられると、自分用のクローゼットに新品の服を飾り、キラキラと輝く瞳で服を見つめていた。
夕方には全て揃った。
ポーラは眩しい笑顔で修に頭を下げた。
「ありがとうございます、ご主人様!!」
早速新品の服を着こみ、ご満悦顔でニコニコとしていた。
美少女のそんな顔を見れて、修もこっそりほっこりできた。
家も手に入れ、収入の目処もある。
安定した生活への第一歩を踏み出したわけだが、修には一つ残念なことがあった。
「お風呂ないんだね・・・・」
数人が同時に体や服を洗える場所はある。
しかし、風呂桶の様な物はどこにもなかった。
「・・・・オフロ、ですか?」
ポーラも聞きなれる単語を耳にしたようで、首を傾げている。
「そう。こう、お湯を溜めてね。中に浸かるんだよ」
修が身振り手振りで必死に風呂の存在をアピールした。
「・・・・はぁ」
ポーラはピンと来ないようだ。
不思議そうに首を傾げられた。
修は苦しげに眉を寄せて、うんうんと唸った。
「・・・温泉は分かる?」
ポーラは頷いた。
「あ、はい。滋養効果があるものですよね?」
修はいきり立って声をあげた。
「そう!それと似た様な物!」
ポーラはようやく納得した様子だった。
しかし、心底不思議そうに首を傾げた。
「そうですか。・・・・しかし、それほどのお湯を作るのは難しいのでは」
「くぅ・・・!!」
修は項垂れた。
魔法を使おうにも、50回程度の水球では湯船を満たせるかどうかだろう。
温めることもできない。
いつか絶対に風呂を作る。
そう心に決めた。
夕食は、ポーラが腕によりをかけて作った。
材料はカマンの商会で買ってきたらしい。
「どうぞ、ご主人様」
ポーラが椅子に座る修の後ろに控えて勧めて来た。
しかし、落ち着かない。
「・・・・ポーラ」
「はい?」
首を傾げるポーラに修が告げた。
「ポーラも一緒に食べよう」
ポーラは困惑した。
「え?・・・ですが」
「いいから。温かいうちに食べた方が美味しいでしょ?」
「は、はい・・・・」
困った顔で頷くポーラ。
しかし、中々動こうとしなかった。
「ほら、座って」
修が立ち上がって、ポーラの肩を掴んで向かいの席に座らせた。
「し、失礼します」
カチコチに固まるポーラの向かいに座り、修は食べ始める。
「うん美味しい。ほら、ポーラも食べて」
「は、はい・・・・」
勧めると、ポーラはおっかなびっくりといった風に食べ始めた。
「今度から一緒に食べよう」
修がニコニコ笑いながら言うと、ポーラはまた困った顔をした。
「いえ、その・・・。・・・・・・はい」
じっと目を見つめられると、ポーラは折れた。
夜になり、修は新品のベッドに横になった。
すると、こんこんとノックの音が鳴った。
「失礼します」
ポーラが修の部屋にやってきた。
「うん?」
修が不思議そうにポーラを見つめる。
ポーラは、薄着を身に纏っているだけだった。
半分透けている大きな胸の膨らみを恥ずかしそうに隠しながら、ポーラは頬を染めていた。
「ご主人様・・・。お情けを頂きたく・・・」
修は目を丸くした。
「え?」
それをどういう意味に捕えたのだろうか。
ポーラは少し慌てた風に捲し立てた。
「あの、ちゃんと初めてですので・・・・」
修は不思議そうな顔で首を傾げる。
「う~ん。奴隷ってそっちもありなの?」
「は、はい・・・。カマン様からもしっかりとお世話になる様にと・・・」
カマンさんグッジョブ。
心の中でそう思った。
「そっか。じゃあおいで」
修は、頂けるものなら素直に頂くことにした。
「はい・・・。・・・失礼します」
ポーラは恥ずかしそうにしながらも、修のベッドに入った。
ポーラは脱いでも凄かった。
大事なところに穴が開いた布きれだけを身に纏ったポーラに、修はハッスルした。
元々どこぞの組織を潰した時にも、町の娼婦に30人がかりで歓待されたこともある。
そして、全てノックアウトした。
修は溜まっていたのだろう。
娼婦相手に磨き抜かれた技を、ポーラ一人に叩き込んだ。
ふさふさの耳も、パタパタと動く尻尾も十分に堪能した。
朝日が昇るころになってようやく満足すると、ポーラは至福の顔で失神していた。
昼過ぎになってようやくポーラは目を覚ました。
じっとりと濡れた瞳で、全裸のまま縋り付いて来た。
はぁはぁと荒い息で体を擦りつけて来る。
当然の如くまた頂いたが、夜にまで続いた。
終わっても、ポーラはもじもじとこちらを見つめて来ていた。
食事中もどこか上の空で、気付けば修を見つめて来ていた。
食事の後も修に擦り寄り、蕩けた顔で見つめて来る。
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LV.2
ポーラ
獣人:♀
17
剣士LV.3
『○○○』
『探索者』
『奴隷』
主
カンザキ シュウ
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とても人様には見せれない称号がついていた。
神が言っていた、称号によって性格が変わる現象だろう。
明らかにやり過ぎてしまったのだ。
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LV.9
カンザキ シュウ
人間:♂
18
拳士LV.■■
経験値獲得アップLV.2
攻撃魔法LV.2
回復魔法LV.2
鑑定
状態異常無効
称号変更
『ご主人様』
『探索者』
『拳を極めし者』
『神を殴りし者』
所有物
ポーラ
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修にも途轍もないのがついて居た。
恐らくそういう意味だろう。
こっそりと『探索者』に戻すと、ポーラは恥ずかしそうに頬を染めて、ようやく離れてくれた。
称号変更、とても役に立ちました。
後で聞いたが、人間と獣人なら、子供は出来ないらしい。
これはセーフなのだろうか・・・