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第7話「電脳のアキラ、異世界ネットワークを掌握す」

王都の地下迷宮。その最奥、封印された古代魔導装置の中で、ひとりの少年がケーブルらしきものをこねくり回していた。

「……よし、魔素制御コアを中継用ルーンに繋げて……っと。うん、やっぱ規格バグってるな」

 メガネに中性的な顔立ち。肩に乗ってるのは、しゃべる小型スライム型の魔導AIスピッカ

 彼の名は――芹沢アキラ(せりざわ・あきら)。

 元町の情報屋で、スマホ5台を同時操作して闇バイトの管理までしていた天才。

 転生後は、なんと魔導工学の最上位種族・アルカノーム族になっていた。


【芹沢アキラ】

種族:アルカノーム(魔導技術特化族)

スキル:魔素ハッキング、魔術コード解析、情報収束結界、転送式チャットリンク


「“魔導通信技術”とかいう時代遅れのシステム、現代仕様にアップデートさせてやるよ」

 彼が手にしたのは、王都の古代魔導中枢コア。そこに魔力回路を差し込み、自作の術式プログラムを走らせる。

「まずは中枢解錠、《コマンド・フルアクセス》」

 ――ピコン。

 空間に、光のインターフェースが展開される。

 ◇起動ログ:レガシーネットワーク・起動確認

 ◇ユーザー:芹沢アキラ(管理者権限)

 ◇接続端末数:0 → 1 → 3 → 12……

「ふふっ……キタな、これ」

 魔素と術式で構成された“異世界版インターネット”が、王都の中枢を中心に稼働し始める。

 しかもこのネットワーク、ただの情報共有にとどまらない。

「おいスピッカ、チャット試してみろ」

《ヨロシク☆ byスピッカ》

 ――その瞬間、王都中の魔導端末にメッセージが表示された。

「な、なんだこれ!? 術式端末に……文章が勝手に!?」

「おい、魔法通信局がハッキングされてるぞ!」

 当然、魔導省も騒然。しかし――

「こっちは悪用しない代わりに、情報はもらうよ。お互い様ってことで」

 アキラは悪びれず、指をパチンと鳴らした。

「……“俺専用SNS”くらい、異世界でも欲しいじゃん?」


 数日後。王都では噂が流れていた。

「“空に浮かぶ文字”で連絡が取れるって話、知ってるか?」

「もうすぐ、“魔導通販”とかいうのも始まるらしいぞ……!」


 アキラが構築したのは、単なるネットワークではない。

 ――異世界革命のインフラだ。

「俺が繋ぐよ、世界を。……アイツらと、また会えるようにな」

 電脳のアキラ、その名は、すでに魔導士ギルドの“危険存在リスト”に記録されていた――


次回予告

第8話「再結集! 地獄町連合、異世界で最強チームになる」

バラバラに転生した仲間たちがついに合流! 魔王軍もビビる“元不良連合”の力とは!? 友情、喧嘩、そして……宴!

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