第10話「王都騒乱! 地獄町連合vs王国騎士団 全面抗争」
――王都・中央広場。
煌びやかな貴族街と、庶民の商店街が交わるこの場所で、事件は起きた。
「何度も言ってんだろうが、ここの露店は俺らが守ってんだよ」
「不法営業だ。ここは王国が管理する区域。騎士団の命令に従え」
鋼鉄の鎧を身にまとった王国騎士団の副隊長が、地元の露天商に無慈悲な撤退命令を下す。
だが――その間に、爆音が轟いた。
現れたのは、魔導エンジン搭載の異世界バイク。乗っているのは、もちろんこの人。
「は〜い、退場してもらおうか、お堅ぇお役人ども」
爆焔の花園レン、異世界最速のバイクで登場!
「……まったく、ケンカ売るのが好きだなお前は」
続いてやってきたのは鉄壁のタケシ、腕を組んだまま騎士団を威圧する。
「待って。前線戦力の配置図、騎士団通信に流してやる。視覚ジャックも完了」
電脳のアキラが空間に浮かぶ魔導スクリーンを操作し、完璧に“妨害”を開始。
「睨むだけで100人黙らせられるとか、これも才能か……」
魔眼の千尋が一歩前に出ると、最前列の兵士が無言で逃げ出した。
そして――最後に現れるのは、全ての喧嘩を力で制してきた最凶の男。
「騎士団だろうが国王だろうが関係ねぇ。俺らの街に、手ぇ出したらぶっ潰す。それだけだ」
――神堂龍也、王都にて完全復活。
かくして、地獄町連合 vs 王国騎士団の全面抗争が幕を開ける。
「第一陣、前進! 魔法障壁展開せよ!」
「うるせぇ! お前らの命令なんざ、誰が聞くかよォ!」
レンのバイクが火を吹き、騎士団の壁を突破。
タケシが突進を受け止め、逆にカウンターで数人を吹き飛ばす。
アキラのハッキングで、騎士団の指揮網はズタズタに。
千尋の“殺気”で、もはや騎士の半分が戦意喪失。
そして――
「お前ら全員、まとめて来いよォ!!」
龍也の一撃が、王都の中央塔をへし折った。
その頃、王城では騎士団長と大臣たちが顔を真っ青にしていた。
「な、なぜ彼らを止められないのだ……!」
「で、ですが彼らは……魔王すら倒した“地獄町連合”の連中でして……」
「もはや……国軍でも手に負えない……?」
結果。地獄町連合の“実力行使”によって、
王都商業区の自治権は連合に移譲されることに。
「へっ、やっぱ最後にものを言うのは、腕っぷしってな」
笑うレンと、それを囲む仲間たち。
街の人々は、彼らにこう呼び始める――
**「喧嘩するために転生してきた英雄たち」**と。
次回予告
第11話「地獄町防衛戦! 魔族大軍襲来と“元番長”の誓い」
国も軍も頼れない? なら俺たちが守るだけだ! 王都を揺るがす最大の脅威に、地獄町連合が総力戦で挑む!