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第9話「帰ってきた最凶男・神堂龍也、魔王の城を単騎でぶっ壊す」

――東の大陸、魔王領。

 黒き雲が空を覆い、空気すら震える魔族の本拠地。

 その中心にそびえるは、“絶対不落”の名を持つ【魔王城ヴォルクレア】。

 魔王軍の主力が集い、各国の勇者でも届かなかった最前線。

 そんな城門の前に、ひとりの男が立っていた。

 髪は銀、両腕には鎖のような黒い包帯。

 目を合わせた魔族が、震えて後退る。

「……ここが“最強の拠点”ね。悪いけど、通り道なんだよ」

 その声は静かだが、内に狂気を孕んでいた。

 ――神堂 龍也しんどう・りゅうや

 かつて地獄町の頂点に君臨した、喧嘩では誰にも負けなかった男。

 “最凶”“狂犬”“街ひとつ潰した男”など、異名は数知れない。

 転生後の彼のクラスは――まさかの、


【神堂 龍也】

種族:人間(???)※特殊進化系

称号:災厄指定(人類側・魔族側の両方に脅威認定)

スキル:暴走領域バーサークモード、再構築肉体、無詠唱魔闘術、魔王特攻Lv.MAX


 魔王軍幹部が50体以上布陣する城前。

「誰だ貴様ッ……ここは貴様のような小僧が来る場所では――」

 ――ボゴッ。

 その声を最後に、幹部級魔族が壁にめり込んだ。

 攻撃の軌道は、誰にも見えなかった。

「邪魔すんなって言ったよな」

 たったひとりで、神堂龍也は前に進み続ける。

 殴れば壁が崩れ、踏めば地が裂ける。

 魔王軍の数百の兵は、すでに怯えすら通り越して呆然としていた。

 そして――ついに、彼は本丸へ突入する。


 魔王玉座の間。

 圧倒的な魔力を持つ“魔王ゼグラディス”が、玉座に腰を下ろしていた。

「……我が城を壊すとは、大した余興だ。貴様、名を名乗れ」

「神堂龍也だ。町の不良だよ」

「……何?」

「お前の城、ムカつくんだよ。でけぇし、威圧的だし。殴りたくなるじゃん」

「貴様ッ!!」

 魔王が放った超重魔法カラミティ・アポカリプス

 それを、龍也は――拳ひとつで打ち消した。

「ははっ、効かねぇよそんなの。こっちは異世界慣れしてんだ」

 それが、魔王ゼグラディスの見た“最後の光景”だった。

 神堂龍也、魔王の城を――素手で貫通し、粉砕した。


 王都・連合本部にて。

 地獄町連合メンバーが、空に浮かぶ魔導ニュースを見ていた。

「“魔王ゼグラディス討伐される 犯人は不明”……だと?」

「絶対アイツだろ」

「間違いねぇ。龍也が帰ってきたな」


 その夜。

 壊滅した魔王城の跡地に、1人の男が腰を下ろしていた。

「やっぱり、つまんねぇわ……1人じゃよ」

 神堂龍也は、空を見上げた。

「……さて、合流すっか。アイツらも待ってんだろ」


次回予告

第10話「王都騒乱! 地獄町連合vs王国騎士団 全面抗争」

次なる敵は国家権力!? 不良魂を見せつけろ! 街を守るために、地獄町連合が王都騎士団と全面衝突!

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