白い世界 side リグレット
真っ白い何もない世界、そこに一人の青い髪、フードを被った青い瞳をした少女が光の中から出てきた
「ふぅ、ここに戻って来ちゃったのね。もう少し話したかったのだけど」
リグレットは辺りを見渡し、そこに自分以外誰も居ないのを確認した
「まだアイツは戻ってきてないのかしら。やっぱり仕込みに時間が掛かってるのね。私ももっと時間が欲しかったけど…」
リグレットは自分の身に起こった事について考えた。本来こんな早くこの世界に戻されるはずではなかった
(やっぱり、あの剣を渡したのが原因だよね。それほど未来に影響が出る出来事でアイツらの怒りに触れでもしたのかな。でもこれは良い情報だわ)
そうして自分の起こした行動について考えていると後ろから、大きい光が発生した
「なんだ、帰ってきたのね。もう少しゆっくりしてきても良かったんじゃない?」
私は光の中から出てきた人物に余裕をもって声を掛けた
「君に言われたくないね。同じ時に飛んだのに君の方が早かったじゃないか。よっぽどやることがなかったのかな?それとももう魔力が尽きたのかな?これだから人族は軟弱で困る」
そう言いながら彼は光から出てきた
「まさか、余裕が有りすぎて高見の見物でもしようかなって思ってたのよ」
「へぇそれは楽しみだ。これからどうなるのかじっくり見ておかないとね。一先ずはこれで次の分岐点までお互いやる事がないだろうしね」
(余裕があるのね、よっぽどの事をやってきたのかしら。まぁどの道まだ序盤お互いに余裕を崩すことはできないってところね)
私は彼が何してきたかを考えて凝視していた
「なんだい?ジロジロと僕を見て。そんなに見慣れないかい?いや、君は僕たち魔族を見たことが有るんだろう?そんな顔で見られてしまうと照れてしまうではないか」
そういって彼は余裕たっぷりの顔をして私を見下してきた
緋色の眼。緋色の髪。そして短い角が生えた種族。
そう私は知っている、嫌でも知っている
こいつら魔族を
「いやいや、見すぎて飽きちゃったとこよ。だから早く降参してくれないかしら。そうしたら見なくて済むようになるもの」
「ふっ、あくまでも強気ってわけだね?まぁ、それもそうだろうね。何せこの勝負に負けてしまったらどちらかは完全に消えてしまうのだから」
そう、これは私。いや私たちと彼らの戦い
どちらかが生き残るための勝負の物語なのである
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