表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命の子  作者: 風雪
不思議な少女
7/23

森の異変 その1

アンナと話しをして部屋に戻ったセインはベッドに横になりながら今日起こった出来事について考えた

母さんは何かを知っている。剣についても知っているようだった


「まぁ母さんの事だから明日には何か教えてくれそうだけど、いつも何か教えてくれることがあったら一晩おいて朝には話してくれる。父さんが亡くなった時のことを教えてくれた時もそうだったしな」


数年前になんで父さんが亡くなったのか聞いたことがあった、そうしたら、明日の朝に教えてあげるわ

と言ってその時も一晩置いて朝に話してくれた

騎士なりたいといった時もそうだった

おそらく重大な事柄については自分の中で整理を付けて話をしてくれている

そういう人なのだ、だからこそ落ち着いて、子供であってもわかりやすく説明をしてくれるし、聞いてくれる。

「明日も早く起きて素振りだな…今日はもう寝よう…」


そうして眠りについた


しかし数時間後何か嫌な感じがして、セインは起きてしまった


「なんだ、この纏わりつくような嫌な感じは…外から?今までこんなことはなかったのに…」


今日は色々な事がありすぎ気配に敏感になっているのかもしれない。そう思い、窓から北の森を見て、ぎょっとした

自分の眼がおかしくなったのかと疑った


「なんだあのモヤのようなもの…こんなに暗いのにはっきり見える。空間が歪んでいるようにも見える。なんだあれは?」


そうしてだんだんと不安で身体が締め付けられるような気がして、ベッドの横においてあったリグレットから渡された剣をふいに持ってしまった

すると昼間に感じた力によって身体の緊張が和らいだような感覚がした


「昼間に持った時と同じだ、何か力を感じる。何かに守られているような…それにあのモヤもより一層とはっきり見える。どうなってるんだ俺の身体は…どうする…森に入ってみるか…これがリグレットの災厄の前兆なのかもしれないしな」


あまりにも不吉な気配にこれが災厄の前兆と思ったセインは森にはいる準備をして家を出た

家を出ると辺りは何一つ明りもなく誰もこの異変に気付いていないようだった


「この森の異変に気付いているのは俺だけか…」


そう言ってセインは昼間に向かっていた森に向かい、モヤの中心へと向かおうとしたが森に入ってすぐの所で足が止まってしまった

辺りがあまりも静かすぎて動物の気配すらないからだ


「おかしい、夜に活動するやつもいるはずなのに一切気配を感じない」


過去に夜中にこっそり村の作物を荒らす狸や狐がどこから来るか探した時ですら気配を感じた

当然対策をしたから近寄らなくなったのだが、それでも気配を感じられるほどだった

ここまで気配がないと逆に異常なんだとはっきりわかった


「動物達もこの異変に気付いてどこかに逃げたのか?くそ…どうする…クレイだけでも起こして調査に入るか?」


クレイは狩人として一流だ、動物の気配についても狩りについても、あいつに教わったものだ。この気配を感じられず、モヤが見えないにしても何かを感じとれるはずだ

そう思いクレイの家に向かい、クレイの窓に小石を当て、クレイを起こした

そうするとすぐに眠たそうな顔をしてクレイがランタンを持ってドアから出てくる


「なんだよセインか、どうしたこんな夜中に、うちの父さんも母さんも起きちまうじゃないか」


「ごめんクレイ、森の様子がおかしくてさ、調査を手伝って欲しかったんだ」


クレイに森に感じた異変についてモヤや嫌な気配についても話し、調査の手助けを依頼した

クレイはおかしなやつでも見るような顔をしてきた


「お前、どんどん頭おかしくなってきてるんじゃないか?ソニアに言ったらすげぇ心配されそうだな、いや俺も心配になってきたんだけどさ」


「俺もよくわからないんだよ…ソニアに言うかどうかは別として調査は手伝ってくれるか?」


「あぁ、モヤだの嫌な気配だのは抜きにしても、動物の気配がしないのは気になる。もっともお前があれや、これやと気になりすぎて動物のささいな気配気づかなくなってるだけかもしれないけどな」


あぁ、確かに言われてみればそっちに気を取られすぎて動物に気づいてないだけって事はあるかもしれない

それならそれでいいか、何もないに越したことはない


「待ってな、すぐに準備してくる」


家の中に戻ったクレイはすぐに準備をして出てきた。こういうときのこいつの速さは素直に感心する

そうして二人で森に入る

クレイは一度立ち止まり辺りを見渡し耳を澄ませ、時折地面に耳を当てた

そして立ち上がり俺の両肩に手を乗せ、真剣な顔で


「おい、セイン、全く動物の気配がしないぞ。良かったなお前の頭と感覚はぎりぎり正常だということがわかった」


クレイの言葉により、自分の感覚が正常であったという再認識と親友を一度ぶん殴りたい気持ちが同時にできた

ここまで読んで頂きありがとうございます




もし少しでも面白いと感じたら評価をよろしくお願いいたします!




今後もよろしくお願い致します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ