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運命の子  作者: 風雪
不思議な少女
1/23

セイン・フレッド

「あんた一体何者なんだ」


俺は目の前に居るフードを被った少女に尋ねた


俺…セイン・フレッドの旅はここから始まったのかもしれない


===================================

時は遡る


「おーいセイン、今日は森に狩りに出かけるのか?」


「あぁ、そろそろ肉も少なくなってきたし、鍛錬の成果も試してみたくなってな」


リエット村を出て森に向かおうとした所で、友人のクレイに話しかけられた


「なぁ、いつも思うんだけどなんで毎回狩りに出かけるのに剣だけなんだ?弓とか使ったほうが安全に狩れるんじゃないか?弓も得意だったよな?」


クレイは俺の腰に携えた剣を見ながら聞いてきた

確かに村の周囲に出る動物なら、遠くから狙ったほうが安全だが


「確かにそうだけど、俺は騎士になりたいからな。剣を扱えたほうが入団試験に受かりやすいって聞いてさ」


「そういえば18歳になったら騎士の入団試験に受けに街に行くって言ってけど…あれ?もしかして今年か?18にはまだなってなかっただろ?」


「いや、実は受けれる年齢が引き下げになってな、今年から17から受けれるようになったんだよ。優秀な人材を早く騎士団に入れて育てる方針になってきているみたいなんだ。だから17から募集をかけて、問題なさそうなら16歳まで下げる方針に変わったらしい」


「へえ、それで狩りにも剣を使い始めたのか、夢叶うといいな…ん?それならもう村を出ていくのか…アンナさんはなんて?」


アンナ・フレッド 俺の母さんの名前だ


「まぁイノシシを狩るのが最低条件とも言われたけど、それが出来たら貴方の自由にしたら良いって言ってくれたよ。」


そう俺は小さいころに助けられてから騎士に憧れている。森に狩りに出ていた時に、森の奥まで行ってはいけない約束をされていたのに、兎狩に夢中で森の奥深くに入ってしまった

奥にしか居ないイノシシに気づいたときにはもう遅かった…イノシシはこちらに気づいて縄張りを荒らされたと勘違い…いやイノシシの狩りを邪魔したようなもんだから勘違いではないのかも知れない

そして突進してきたイノシシに怯え動けなくなっていた所を森に調査に来ていた騎士に助けられたのがきっかけだった


「そっか、もう騎士になりに行くのか。まぁ試験を受からないといけないからまた村に逆戻りになるかもな!」

クレイはケラケラ笑いながら言った

確かに騎士入団試験は難関だと聞いた。だから毎日の鍛錬は欠かさず行っている。当然剣を教えてくれる人は村には居ない為、自己流である。村では一番強いが、騎士になる為の基準がわからない為どれだけ鍛錬しても不安は拭えない

俺が受かるかといえば正直難しいのは間違いないだろう


「そうだな、でも、先ずは受けてみないことには基準もわからないからな、やれるだけやってみるよ」


「まぁな、応援してるよ!騎士になったら村の誇りになるしな!」


そんな会話をして、俺は明るい内に戻ってくるために森にはいった


「さて、そろそろイノシシの縄張りに入る頃だな、気を引き締めて進もう」


獣道を慎重に進みイノシシの手がかりを探し進めていく


「居た…なんだあいつ、あの時のやつより数段大きくないか?」


小さい頃に見たイノシシより一回りほど大きい。緊張からか額から汗が流れるのが感じられた


「いや、あんなのに臆してたら騎士にもなれないよな。あの時の騎士様は一刀で切り伏せていた、そこまでとはいかなくとも、あれくらい簡単に狩れなきゃな」


セインは剣を構えわざと気づかれるように音を出しイノシシの前に飛び出た

イノシシはセインに気づきブフーッと威嚇をし突進を始めようと身構えた

(イノシシは直線的な動きが大半だからタイミングを合わせて避けた所で首回りを切り落とす)

予想通り突進をしてきたイノシシにタイミングを合わせたセインは避ける動作を始め、イノシシの牙を避け、剣を振り落とす構えを取った

(よし、あとはこのまま首を刎ねてやる!!!)


イノシシの首に向かい剣を振り落とした

キィィィン…

剣が弾かれる音と共にセインは態勢が崩れてしまった

「なっ!!!こいつ反応しやがった!!」


首をこちら側に向け牙で剣を受け止めたのだった


(くそっ、早く態勢を整えて迎撃の構えを取らないと)


再度突進のしてきたイノシシに対して剣を構えまたギリギリで避けようとしたが態勢が整わず剣で受けた

バキィィィィン

鈍い音と共に剣が折れてしまった。 (くそっ!なんでこんな時に!)

剣と共に飛ばされ木に身体を打ち付けてしまった

痛みで顔を歪めすぐさまイノシシの方を見た。再度突進の構えをしている


「またかよ…やっぱり騎士には慣れねえのかな…」


昔騎士に助けられた時を思い出した。今回は流石に誰も助けてはくれないだろうな

そりゃそうだ。あんな奇跡はもう起きないだろう


「いや、人を守る為に騎士になるのに諦めたら駄目だよな。俺が憧れたあの人はこんなんで諦めたりはしないだろう」


力を振り絞り立ち上がり、折れた剣を捨て腰の後ろに持っていた肉を捌く用のナイフを取り構えた

すぐに襲ってくると思われたイノシシは警戒態勢を取ってはいるが仕掛けてこない

(なぜあいつは仕掛けてこない?なんだ?何かを警戒している?俺に?いや、さっきあんだけ吹っ飛ばした相手に警戒するにしても追撃しないなんてあるか?)


思考を巡らせているとふいに思考を止める出来事が起こった


「全く。無茶をするものですね」


後ろから唐突に声がした

(なんだ?誰だ?女の声?聞いたことないぞ?村の女の人の声ではない。聞いたことない声だ)

聞いたことない声に驚きながらイノシシから目線を逸らせず後ろを振り返ることはできなかった為誰が後ろに立っているかわからなかった


だがその姿をすぐに見ることができた。

ここまで読んで頂きありがとうございます

もし少しでも面白いと感じたら評価をよろしくお願いいたします!

今後もよろしくお願い致します

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