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 下水道の天井から何かが落ちてくる。

 ゴミ……水滴……石かレンガの欠片や土塊(つちくれ)

 微かに爆音みて〜なモノも聞こえる。

 上の方で戦いが始まったらしい。

 でも、俺は……。

 迷った。

 道に迷った。

 この下水道が道と呼べるかは別にして、ともかく迷った。どこから、どう出ればいいか判らない。

 ああ……ここで……俺の人生終るのか……?

 いや、人生終ったのは2度目だけど……ああ、前回ほど苦しまずに死ねそう……ん?

 真っ暗な筈の地下下水道に、光が……それも、上の方から差してるような……?

 俺は、その光の方に向かう。

 どっちみち、変な性病をもらってるんで、今度の人生も長くないだろう。

 この異世界で、生きてても、いい事なんて無いだろう。

 でも……。

 それなのに……。

 心は嫌がってるのに、体は欲望に抗えない。

 生きたいって欲望に……。

 生きてても、何1つ良い事なんて無さそうな2度目の人生なのに……。

 1度目の人生は……生き地獄を味わい続けた挙句の死亡。2度目の人生は異世界で、生き地獄。

 俺、何か、悪い事やったのか?

 公金チュ〜チュ〜団体の正義の暴走を止めようとしただけなのに……。

 あの野郎が悪いんだ。

 まさか、あの野郎が、ホントにヤクザか半グレだったなんて……。

「な……何だ、これ……?」

 そこは……ゴミで出来た下水道の中の島。

 その島にはエクスカリバーみたいに大剣が刺さってる。

 ただし、剣は……地面……と呼んでいいか判んないけど地面(便宜上)に倒れてる腐乱死体を貫いている。

 剣が貫いてる死体は……大きさからして、女か子供。

 顔は無茶苦茶。

 ネズミか何かに肉を齧られてるらしく、骨が露出してるが……頭蓋骨は原型を止めてない……。

「うわあああッ⁉」

 そのグチャグチャになった頭蓋骨の中からネズミが出て来た。

 体の表面は蛆虫と粘液に塗れたネズミ。

 どうやら、死体の脳味噌を美味しくいただいてたらしい。

 何だ、この嫌過ぎにも程が有るエクスカリバーはッ?

「お……おい……お前。俺を助けたら……名誉(アーリア)人にしてやるぞッ‼」

 突然、年寄っぽい感じの男の声。

「な……なんじゃ、こりゃあッ?」

 俺は……思わず、そう叫んでしまった。

 そこに居たのは……肌は白黒まだら……ただ、顔立ちは明らかな白んぼだった。

 いや……どこかで、見た事が……。

 でも……。

 段々、思い出す。

 まさか……。

 この禿頭に……何とも言えない変な髪型の金髪を合成すると……えっと……。

「あんたの髪、(ヅラ)だったのかよッ?」

 俺は、何故か、有色人種に化けてこんな場所に居る白んぼどもの大将……()()()()()()()()()に向って、余りにマヌケな事を叫んでしまった。

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