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「ここから登れば、町中に出れるだで」
俺達をここまで案内してきた白んぼは、そう言った。
その指差す先には……錆だらけの鉄の梯子。
ただ、異様に頑丈そうでは有るが……。
「じゃあ、行くか……」
俺達、奴隷人間は1人また1人と梯子を登り……。
そして……俺の番だ。
ドン……。
落ちる。
ドン……。
また落ちる。
何度やっても落ちる。
「な……何やってる……?」
「梯子登れねえよッ(泣)」
俺は、失なった右腕を指差す。
「いや、根性で何とか……」
「無理ッ‼」
「頑張れ」
「頑張っても無理ッ‼」
「ああ……そうか……じゃあ、ここで死ね。もう……俺達もお前も、どこで、どう死んだって同じだ」
「お互い残り少ない人生だ。好きにするんだな……」
「時間の無さそうなんで、俺達、お前置いて行くわ。じゃあな……」
俺以外の奴隷人間どもは、そう言いながら去って行った。
そして、俺は、この臭くて暗い下水道に取り残され……おい、何で、入口は普通に入れたのに、出口は、片腕が無い奴に配慮してねえんだよッ‼




