(13)
戦いは、あっさり終った。
片腕……それも利き腕を失なってる俺は大した活躍が出来なかったが……。
まぁ、白んぼどもは、やっぱり阿呆だ。
折角、「火薬」という、この世界ではチート級の兵器を(どうやってかは判らないが)入手出来たのに……この町の城門守備隊は、自分達に割り当てられた火薬を一度で使い果たしたらしい。
そして、手持ちの武器が無くなった所で、ゾンビか何かみたいに(生きる気力なんて根刮ぎ奪われてるので)突撃してくる俺達。
ザクっ……グサっ……。
突進してる連中は……白んぼ共に、刀で斬られ、槍で刺される。
それも、切れ味の悪そうな錆だらけの刀と、ボロボロの穂先の槍で。
「死ねッ‼ 死ねッ‼ 死ねッ‼ お願いだから死んで‼ 俺、人殺すの初めてなんだッ‼ 初体験が、こんなのなんて嫌だぁぁぁぁ〜ッ‼」
刀による斬撃を命中させた白んぼは、そう叫びながら……刀を持ってない方の手で相手の頭を掴み、刀を持ってる方の腕に、更に力を込めて無理矢理、相手の首筋に刃を押し込む。
そして、最終的には……アメリカのラブコメ・ドラマの御約束のギャグシーン「初体験の途中で盛大にゲロ」。
「ぐ……ぐあああ……ッ‼」
槍で相手を刺した白んぼは……刺した相手を押し倒して、更に全体重をかけて、相手の腹に槍をめり込ませる。
それでも……目が死んでる俺達の進撃は止まらない。
これは……突撃なのか? いや、もう、「進撃の巨人」ならぬ「突撃の廃人」だ。
目付きは虚ろ……生きる希望さえ失なった連中が……ただただ、命令されるままに、やる気も無さそうに進み続ける。
「う……うわ……うわああああ……」
仲間が殺されても、無表情なまま進み続ける俺達。やがて……優勢な筈の白んぼどもは、幽霊にでも遭遇したかのような恐怖の声をあげて……。
「ま……待て……行くな……おい……城門を閉めるな……た……助けろ……俺を助け……何でだッ⁉ お前らを名誉白人に推薦してやった恩を忘れやがったか? おい、たすけ……あああ……こ……殺さないで……何でもします……たすけて……たすけて……」
途中でコケた、妙に豪勢な鎧を着てる1人を残して……白んぼ共は逃げ出し、町の城門は閉じられた。
「ほう……お前が、ここに居た連中で、一番、偉か奴か?」
農民様の御一人が、1匹だけ逃げ遅れた白んぼに、そう訊かれた。
「は……はい……」
「よし、お前ら……こいつば@#$しろ」
百姓様は、俺達に、そう御命令される。
「え……?」
「さっさとやれ……やらんかッ‼ やらんと、楽に死なせてやらんぞッ‼」
1人……また1人と、その御命令に従い……。
「お……おい……何を……何を……やめろ……やめて……いや……それだけは……」
白んぼの鎧は剥がされ、ズボンはズリ下ろされ……だが、それをやってる俺達の目には……何の感情も無い。
「こいつらはなぁ……糞マズか病気に罹患った家畜とやりくさった、お前ら白んぼ以下の獣……いや獣以下の蛆虫たい」
「えっ?」
農民様の御説明に、白んぼの顔が更に白くなる。
「お前はな……今から、こいつらに@#$されて病気ば感染される事になるんたい……。げへへへ……いい気味たい。白んぼの癖に人間様に歯向こうた報いたい。ロクな死に方が出来ると思うんじゃなかぞ……ぶひゃひゃひゃひゃ♪」
「ひ……ひ……いや……ゆるして……それだけは……やめてやめてやめて……」
うらやましい……。
俺は……メスガキのように泣き喚く白んぼを見て、そう思った。
ああ……こいつには……俺達とは違って……まだ、感情が残ってるんだ。けど、すぐに心をヘシ折られて、俺達と同じ何も感じない……百姓様の御命令通りに動くだけの……生ける屍……体は生きてても、心は逝ってしまった肉人形に変るんだけどな……あははは……。




