(7)
俺こそが、あの有名ラノベの主人公のモデル様だ。
つまり、こんなありがちな異世界の事なんざ、知り尽くしている。
そう……異世界で成り上がる為に必要なモノ……それは現実主義だ。
そして……ついに成り上がりのチャンスがやって来た。
地獄のズンドコにまで堕ちたからこそ、成り上がりの悦びがデカくなる。
そして、俺は現実主義に徹した。
「うりゃあああッ‼」
「お……おい……お前、何を……?」
黙れ、白んぼ。
有色人種が勝ちそうな時には、有色人種に付く。
「白神」様が勝ちそうな時には、「白神」様に付く。
利用価値が有りそうな奴は、片っ端から利用する。
利用してた奴がイモ引いたら、容赦なく切り捨てる。
そうやって、俺は……前世で……。
ザクっ……。
あ……。
あれ……?
し……しまった……。
安っぽい、錆だからけのナイフで……いくら木製とは言え「白神」様の盾を貫いて……「白神」様にダメージを与えられる訳などなく……。
うそ……。
成り上がりの主人公は、俺じゃなくて……ひょっとして、この「白神」様?
この「白神」様こそが、盾の勇者だったのか?
「ハイル・ヒ○ラーっ‼ 私は、『白神』様に永遠の忠誠を誓い……」
「ふざけんな、今、裏切ったクセに何が永遠だッ‼ 貴様など人間にも劣る蛆虫だッ‼ いや、貴様のような奴を人間扱いしては、人間に失礼だッ‼」
ひ……ひい……。
「逃がさん……ぐえっ?」
背後から飛んできた棍棒が白んぼの後頭部に大命中‼
「た……助かりました。ありがとう。貴方こそ救世主……」
ドゴオッ‼
脳天に衝撃。
意識を失なう直前……最後に目にしたのは……やたらとガタイのいい……女? えっ?




