(6)
それでも夜は明ける。
でも……多分、俺の悪夢は終らない。
もう……何も考えず、何の希望も持たず……ただ、この尻穴のうずきに身を任せ、心まで尻穴奴隷になるしか、この世界で俺が生きていく手段は無い。
何が「涙の夜は必ず明け、喜びの朝が来るだろう」だッ?
何かのラノベで引用されてた新約か旧約かは忘れたが聖書の一節が脳裏に浮かんで……ああ、やっぱりキリスト教はクソだ、としか思えなくなった。
「おい、お前らの今日の仕事だッ‼ 来いッ‼」
「白神」様の司令官が、俺達に、そう御命令された。
ピクッ……その御声を聞いた瞬間、俺の股間(自粛)。
しかし……この世界に転生してきた次の瞬間、俺を(自粛)してくれた御主神様に再会出来たとしても……。
ああ……。
俺は、もう下等な獣同然の有色人種どもに体を穢された。
そんな汚れてしまった俺など、御主神様は触手@#$で(自粛)なんてしれくれる筈が……。
何も考えずに歩く。
歩く。
歩く。
小便を垂れ流しながら歩き続ける。
この異世界転生が神か何かが仕組んだモノなら……その神は、異世界転生した直後に、秒で俺を絶望のズンドコに突き落とし、その代りに新しい生きる希望を与え……今度は1〜2日で、その新しい希望を、また奪った。
歩き続け……気付いた時には、もう夕方だった。
「貴様らは、『色付き肌』の分際で、我々『白神』に逆らうという大罪を犯した。お前らは一生、奴隷のままだ。だが、我々への忠誠を証明出来れば……奴隷としては少しはマシな扱いになるぞ」
周囲に有るのは……畑。
その少し先には、粗末な家が立ち並ぶ……農村。
畑に居る愚かな有色人種どもは、「白神」様の素晴らしい演説を……ポカ〜ンとして聞いていた。
ああ、これだから、有色人種は劣等人種なのだ。
「では、我々への忠誠を証明してみろ……お前らの同胞を殺せ……。奴らが降伏したなら、男は犯して、女は我々に献上しろ」
そう言って、「白神」様の中でも下っ端……と言っても、俺達にとっては半神にも等しい方々だが……の方が、俺達に、刃が錆だらけでボロボロになっているナイフを渡す。
けけけけ……。
やった……これで……。
でへへへのへ……。
なろう系小説に良く有る「成り上がり」だ。
しかも、非武装の民間人を虐殺するだけなんて……うけけけけ……何て楽に成り上がれるんだろう……。ああ、ここは良い世界だ。こんな簡単な事、非武装の民間人を虐殺するより楽な作業よ……。
うきゃ〜っ♥
ざくっ……。
次の瞬間……刺さった。
あれ?
俺が下等な有色人種を刺したんじゃない。
逆だ。
俺の右腕に何かが刺さっていた。
あ……農民が投げた鎌だ。
いたい……。
いたい……。
いたい……。
「底ん抜けまくったマヌケか、テメエらっ⁉ ここん村の副業か何か知らずに攻めてきやがったとかッ⁉ こん阿呆どもがッ‼」
え……えっと……何の事……?
「戦争じゃぁ〜ッ‼ グぁぁぁぁぁ〜グっ‼」
「金儲けの季節が、また来たぞッ‼」
「ヒぃ〜ハぁ〜っ♪」
「戦争じゃぁ〜ッ‼」
「戦争じゃぁ〜ッ‼」
「戦争じゃぁ〜ッ‼」
「稼ぎ時じゃ〜ッ‼」
「病人肌も普通の人間も……こん村に喧嘩を売った阿呆どもは……皆殺しじゃ〜ッ♥」
何故か、農民どものテンションが異様に上がり……。
「タワケどもが〜ッ‼ ウチの村の副業はなぁ〜ッ‼」
「落ち武者狩りじゃあ〜ッ‼」
そんな……そんな……そんなの有りかッ⁉
この異世界は修羅の国か何かかッ⁉
「北斗の拳」より酷いじゃないかッ‼ ヒャッハーどもでさえ安心して野盗・強盗が出来ない異世界なんてッ‼
この世界の治安は無茶苦茶だッ‼ どうって事ない農村に攻め込んだら、返り討ちの危険が有るなんてッ‼
警察はどこだぁぁぁぁぁッ‼ やめろ、助けて、俺には弁護士を呼ぶ権利と黙秘権がぁぁぁぁッ‼
前世では民事裁判で連戦連敗だってけど、刑事だったら何とか……なるのか、これ?
って……早速、クソ白んぼの首が、俺の足下に飛んで来た。




