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転章

 おい……どうなってるんだ?

 俺の目に映っているのは……そう……俗に言う「ナーロッパ」そのまんまの感じの世界。

 城壁に囲まれた中世ヨーロッパ風の町。

 草原や森……そして、夕焼けか朝焼けらしい空……。

「転生者様だか……? ああ、オラの占いの通り……現われなすっただ……」

 その声のする方向を見ると……白人? いや、白人にしても、気味が悪い程に白過ぎる色の肌の小男。

「な……何だよ……お前は?」

「頼みが有るだ……」

 そう言いながら、その小男が俺に見せたのは……小男自身の両手……。

 いや……生身の手じゃない……。

 細い蔦植物みたいなモノが……手の形になってるだけ……。

「転生者様……この世界に来られたばっかしで……この世界の事さ、よく判んねだろ。じゃあ、オラが、転生者様に、この世界の事を教えてやるだ。その代りに……オラの復讐さ手伝ってけろ……」

「え? 復讐?」

「オラから……両手両足と……あと……大事なモノさ奪ったクソ野郎さ殺して欲しいだ……。なるべく、酷い方法でな」

「あ……あ……」

 何か、ヤバそうな奴だけど……。でも、この世界に関する情報源は……今んとこ、こいつしか居なさそうだし……。

「じゃあ、この世界の常識ちゅ〜やつで……最も大事な事さ教えるだ」

「あ……ああ……」

「オラ達、白い肌の民は……普通の人間に……何ちゅ〜か……ああ、そうだ、転生者様達が良く使う言葉で言うなら……『差別』されとるだ。町ん中だったなら……地下の下水道にしか住めねえだ……。そして……普通の人間達から、女子供さ攫って@#$しとるとか、何か事有る毎に井戸に毒さ入れとるとか……病気さ撒き散らすとか言われて……地上で普通の人間に見付かったら、命さ危ないだ」

「あ……ああ、そうか……とんだデマを撒き散らされて……そのせいで……」

「何言うとるだ?」

「へっ?」

「オラ達の種族の奴らには、普通の人間の女さ拉致して@#$して子供産ませとるのも()るし、井戸に毒を入れとった阿呆も()ったし、不潔な地下の下水道で暮す内に、普通の人間にとっては洒落にならん事になるような病原菌に感染しても命に別状無くなってしまっただで……普通の人間からすりゃ、病気撒き散らしとるように見える事も……有るかも知れねえだな」

 えっ? えっ? えっ? えっ?

 おい、ちょっと待て、こいつ……何言ってる?

「とりあえず……オラの復讐さ手伝うだ……」

 い……いや……俺は……その……。

 だ……駄目だ……普通に怖いよ、こいつ……。

 逃げ……逃げ……逃げ……うわああ……。

 逃げないとマズい事になる。

 それは判るのに……この小男の目の中に見える暗い何か……おそらくは、こいつから本物の腕を奪った奴に対する凄まじいまでの怨みや憎しみ……。

 それを見てしまった瞬間……俺の心臓は急にバクバクして、逆に全身の筋肉は固く凍り付き……。

 そそそそ……そんな筈は無い。

 お……お……俺こそが、某有名ラノベの主人公のモデルなんだぞ。

 そ……そ……その俺が……いざ、異世界転生したら、役立たずになるなんて、そんな……そんな……どう見ても、このネームドじゃないモブキャラに恐怖するなんて事事事事事事ここここここここ……。


「おい、どうなってる? 何で、この世界に、また転生者が出現した?」

「私達は、何かを見落してるらしいな……。この世界に出現する『転生者』は、この世界の『大地母神』の代理人(アバター)である……白い肌の種族の『聖女』に奉仕(つか)え、その『聖女』を護る為の存在。……(てい)のいい奴隷とも言うがな。だが、あいつが『私は、もう聖女ではない』と『誓言』した以上……」

「何かが……おかしい……。どこかで、また別の『聖女』が誕生したのか?」

「それも考えにくい。この世界で『聖女』と呼ばれる存在は、白い肌の種族の『巫女の部族』からのみ生まれる筈だが、その『巫女の部族』も、ほぼ残っていない筈だ」

「この世界の『大地母神』とやらが、今までのルールを変えたのか?」

「その可能性も有るが……私達が何か重大な勘違いをしている可能性も考慮すべきだ。……いや……待て、『鬼神達の荒振る母(ハーリティー)』の加護を受けている私達の種族と……この世界の『大地母神』の加護を受けている白い肌の種族の『巫女の部族』には……ひょっとして、重大な相違点が有るんじゃないのか?」

「例えば……何だよ?」

「例えば……()()()()とか……」

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