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「あ……あれ……そんなにヤバい奴なの?」

 謎の女(その2)の慌てぶりを見て、僕は、そう訊いた。

 まさか、「体液がかかると自分も寄生される寄生生物」と3連戦ッ?

「あいつは……魔法の細菌兵器を撒き散らす」

 ……。

 …………。

 ……………………。

「御主人様……大丈夫だか?」

 背後からスナガの声。

 ああ、だから……サイコ女がガスマスク装着(つけ)たのね……。

「あいつを傷付けたら、体液がビュ〜っと飛び散る。霧状になってな。体液が皮膚にかかると感染、目とかに入っても感染、体液の飛沫を吸い込むと、やっぱり感染だ」

「え……えっと……感染したら……?」

「理論上は、3時間から5時間ぐらい悶え苦しんで死ぬが……大概の奴は1時間以内に死ぬ」

「へ……っ?」

「苦しみの余り、自分で舌を噛み切るような事故を起こすか……さもなくば、苦しみを終らせる為に、自殺するか……」

「最悪じゃないかッ‼」

「安心しろ、あいつが作れる最悪の怪物がアレだ。アレさえ乗り切れば、アレより厄介な最悪は無い(ねえ)

「どうやって倒すんだよッ‼」

「1つだけ手は有る……でも……いや……」

「どうしたの?」

「どうも罠にしか思えん」

「いや、一戦でも落せば、負けなんでしょッ‼ とりあえず、あいつを倒して、最終戦は、最終戦で考えようよ。あいつ以上の最悪は無いんでしょッ?」

「そうだけど……あのさ……お前、阿呆だろ」

「時間がない、時間がない、って言ってたの、そっちじゃんッ‼」

「判った、判った、とりあえず、適当な武器を持って、あいつの前に立て」

「は〜い」

「じゃあ、試合開始か?」

 話し合いと呼べそうにない話し合いが終った後、サイコ女が、そう言った。

 やれやれ、これだから女ってのは非論理的。

「ああ、開始だ。早速、あたしが魔法で、そのマヌケを支援する権利を行使する」

 謎の女(その2)が、そう告げた。

「いいのか? 1回だけしか使わない、そう言ったのはお前だぞ?」

「使う」

「確認するが、本当にいいんだな?」

「使う」

「お前だって馬鹿じゃない。下手に使ったら私の思う壺になるかも……ってのは、薄々、気付いてるだろ」

「ハッタリだッ‼ お前は、そいつ以上の強敵は、作り出せない筈だろッ‼」

 女同士の非論理的で感情的な言い合いに飽き飽きした僕は、そう叫んだ。

「そうだ。その通りだ。こいつが私の手駒の中でも、お前らにとって最悪の奴だ」

「じゃあ、とっとと魔法で何とかしてよッ‼」

「判ってるな、あたしが魔法でお前を支援すんのは……この1回だけだぞ」

「判ってるからやって」

 次の瞬間……。

「ぐええええ……ッ‼」

 細菌兵器人間が……炎に包まれた。

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