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(3)

「こ……この男が誰か知ってるの?」

 僕は、突如現われて僕達を助けてくれた謎の女にそう訊いた。

 小柄だ……一五〇㎝台前半……でも妙に筋肉質。

 迷彩模様のような柄の長ズボンの柔道着っぽい外見の服……そんな感じの服装だ。

 セミロングの髪を首の辺りで一本に束ねてて……日本人っぽい顔立ち。

「何だ、全国ニュースにはなってなかったのか?」

「えっ?」

「お前、日本から転生したんだろ? 知らなかったのか、こいつを?」

「だから、誰だよ?」

「出身はどこだ?」

「何で、そんな事を?……一応、関東出身だけど……死んだ時は東北……」

「なるほど……こいつは、九州の大牟田って町のチンケなヤクザの組長の息子だ。私が高校の頃にニュースになったが、もう死刑になってたようだな」

「死刑?」

「保険金殺人か……何か、そんな被害の割に理由はしょ〜もない殺人事件で五人か十人殺して、父親・母親・息子2人の一家全員に死刑判決が下ったヤクザの一家だ。あ、ヤクザってのは比喩じゃない。本当に広域暴力団の系列の……下の方だが、組長一家だ」

「危険人物じゃないかッ‼」

「そう、お前が思ってるよりも危険人物だ。……その一家の中でも、こいつは、元相撲取りだった」

「へっ?……そんな馬鹿馬鹿しい奴が……」

「居るから仕方ない。現実ってのは、結構、無茶苦茶だ。そして、それが……お前が、火事場の馬鹿力を出しても敵わなかった理由だ」

「どう言う事?」

「聞いた事ないか? 空手や柔道の無差別級の全国大会出場レベルでは……十両か下手したら幕下の力士にさえ敵わない。そして、こいつは、途中でドロップアウトしたとは言え、元力士だ。()()()()()()()()鹿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。しかも、お前は武道・武術や格闘技の訓練を受けてなくて、体を効率的に使えないようだな。ますます不利だ」

「あ……あの……御二人は何を話していらっしゃるのですか?」

 その時、聖女様の不安気な声。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 えっ……。

 あ……そう云う事って……待って、こいつ、これから……。

 あの感覚……火事場の馬鹿力が出る寸前の……。

「助けてやった礼が欲しい。()()()()()()。あ、チビの男の方は要らん」

「何の為にだッ⁉」

 力は湧いてるのに……いつものような高揚感が無い。

 何かが……おかしい。

 この女は……今、気絶して床に倒れてる力士崩れより危険(ヤバ)い奴だ……そう、僕の中の何かが告げている。

「私は……この世界に居る()()()()()()()()()()()について、ある仮説を立てている。その為に、この世界の人間や……白人に見える者達の体を調べた。だが、私の仮説が正しいって確信は……9割って所だ。あと1割が足りない。どうやら、白人に見える者達の中でも純血種に近いらしい上に、しかも、めずらしい成体の()()……」

「待て……調べるって、どうやってだッ?」

「そりゃ決ってるだろ……解剖……」

 サイコ女が全部言い終える前に、火事場の馬鹿力が発動。

 僕は、聖女様とスナガを抱えダッシュ‼

 あれ?

 さっきの力士を倒した……苦痛をもたらす呪文が……来ない。

「な……何だよ、この世界の転生者は……僕以外は@#$%ばかりか? さっきの力士もサイコ女も」

「あ……あの……勇者(ボルグ)様……あの女の方は……転生者ではありません」

「えっ? だって、どう考えても……僕と同じ世界の同じ国の出身にしか思えない話をしてたよ……。話してたのも、元の世界で僕が生まれ育った国の言葉……」

「この世界に出現する転生者は……男だけの筈なのです」

 どうなってるの?

 じゃあ、あの女は……?

「あの女の方は()()()です。異世界転生の仕組みを不正に使って、他の世界から、この世界に来た何者かです……目的は判りませんが……」

「どう……なってるの……?」

「それに、あの女の方が使った呪文は……()()()()()()()()()()()()()()

「そんな馬鹿な……じゃあ、あの呪文は……どこの世界の……?」

 地下の下水道から外に出た時、僕は力尽き、膝をつく……。

 頭の中は「?????」の嵐……。

 そして……。

 更に……無茶苦茶なモノを見付けてしまった……空に……。

 理科の成績が、あんまり良くなかった僕でも知ってるモノが……。

 7つの星が……柄杓かスプーンのような形に並んだ星座が……2つ。

 ()()()()()()()()だった。

 だが……それで終りじゃなかった。

 無数の灯りが、僕達を取り囲んでいた。

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