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「だから、どこなんだよッ‼」

「す……すすす……すんませんだ……。次は……確かだと……」

「本当かッ⁉」

「た……多分……」

「多分⁇ さっきも、そんな事を言ってたよな⁇」

「え……えっと……」

 かなりマズい事になった。

 この世界では白人が差別されてる事は知っていた。

 しかし、その差別は……僕が思っていたよりも遥かに酷かったようだ。

 「白人は地震なんかが起きたら井戸に毒を投げ込む」だの「白人は女や子供を誘拐する」だの、そんなデマのせいで、白人は有色人種に殺されてる。

 白人は病気は病気を撒き散らすと信じられていた。

 白人が人間扱いされてないだけじゃない。有色人種でも、白人を人間扱いしたのがバレたら殺されてしまうらしい。

 ポリコレが行き着く所まで行った恐しい世界……それがこの世界だった。

 何で、こんな世界に異世界転生してしまったんだ?

 そして、僕は、うっかり……白人である聖女様に……。

 早く、この町から逃げないと、僕の命まで危ない。

 けど、スナガが地下を通って一目に付かないように町の外に抜けるルートを知っていた……筈だった。

 その地下への入口が判らない。

 ずっと、町中を一目を避けながら(まぁ、夜の上に、僕は異世界転生した時に得たチート能力で、灯りなしでも何とかなったが)、スナガの言う「地下への入口」の場所まで来てみたが……。

 何も無かった。

 ただの大通りだった。

 それっぽい入口らしいモノは見当らない。

「間違えただ」

 そう言い訳するスナガを信じて、次の場所へ行ってみた。

 また、何も無かった。

 また、だたの大通りだった。

 また、それっぽい入口らしいモノは見当らない。

「ここも違っただ」

 スナガしか頼れる奴は居ないので、きっとまた同じパターンだろうと思いながら……。

 またまた(以下略)。

 そして、今居るのは、5度目の「多分、地下への入口」だった。

 もちろん(以下略)。

「あの……その地下の道への出入りは、いつもは、どこからやっているのですか?」

 聖女様が、当然の疑問を口にする。

「あ……ああ、町の外の出入り口ですだ」

「おい」

「あ……でも……町の中にも出入り口は有る筈ですだ」

「本当に有るのか?」

「ああ、有りますだ……ウェ〜イの部族の奴らが使ってましただ。けど、オラはウェ〜イの奴隷でしたんで、奴らの許しが無い(ねえ)と使えませんでしただ」

「お前、方向音痴じゃないのか? 町の中の出入り口だと思ってたけど、本当は町の外じゃないのか?」

「いや、確かに町の中の筈ですだ」

「本当にそうなの?」

「へえ、確かに、ウェ〜イの奴らが……()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()

「へっ?」

「女子供を誘拐してから、一旦、町の外に出るとは考えにくいですだ。町の城壁の門には番人が()りますんで、オラ(だぢ)ウルクが人間の女子供を連れて町の外に出ようとしたら、番人にブチ殺されますだ」

「ちょっと待って……」

「あれ? オラ、何か変な事を言いましただか?」

「あの……本当に、君達は、その……女子供を誘拐してたの?」

「んだ」

「何の為にだよ?」

「……言いにくい事ですが……」

 聖女様の声も……何か……おかしい……。

「我々、ウルク族は、既に自分達の文化を失なってしまったのです」

「えっ?」

「偉大なる転生者ナンシュー・サイ・ゴードン様の時代に、人間達よりも上の身分になってしまったウルク族の者達は、いつしか、人間達の文化を受け入れてしまい……そして続く動乱の時代に、古代からのウルク族の知恵や伝統を伝えてきたオダグ族や巫女の部族が、同じウルクから迫害を受けてしまいました。今や、ウルク族……特に、最も人口が多いウェ〜イの部族は、ウルク族の伝統や文化を捨て去り忘れ去っています」

「え……えっと……それと……人攫いとに何の関係が有るの?」

「ウェ〜イ族は、同じウルク族の女よりも人間の女達の方が美しいと思うようになったのです」

「はぁッ?」

「んだ……今や、ウルクの女の方が、人間の女より美しいと思ってるのは、人間にもウルクにも居ねえだ。たま〜に、この世界にやって来る転生者様を除いては……誰も居ねえだ」

「だ……だとして……何で、人攫いなんか……」

「ああ……今のウルクの大半は……純粋なウルクじゃねえだ」

「へっ? だから、何がどうなって……」

「ウルクの男……特にウェ〜イの部族の者達は、同じウルクの女を醜い者と見做し……女の赤子が生まれた場合は殺しています」

 ……。

 …………。

 ……………………。

 その衝撃の告白……単語の1つ1つの意味は、もちろん、はっきり判った。

 でも、僕の脳が、文章全体の意味を理解するまで、しばらくの時間がかかった。

 いや、余りの内容に、僕の脳が理解する事を拒んだと言い換えてもいいだろう。

「あああ………」

 おい、この世界……有色人種も屑だらけだけど……白人は、もっとマズい奴らばっかりだったのか?

 ん? でも……ちょっと待って……。

「女の赤ちゃんは殺してる。でも、子供は生まれてる。じゃあ、母親は……一体?」

「あ〜……言いにくい事だけんど……人間の女を攫って来て子供を生ませてるだ」

 ま……待って……。

 き……聞くんじゃなかった……。

「あと、人間が飼っとる犬や猫も攫ってくるだ。下水道のドブネズミよりも美味(うめ)えだし、肉も多いんで、月に一度ぐらいのご馳走だ」

 やめろ。

 もう、無茶苦茶だ……。

「大丈夫だ。人間の女は……オラ(だぢ)、ウルクの@#$を%&#にブチ込まれたらメロメロになっちまうだ……。最初の1回目以外は和姦だ。あと、ウェ〜イの奴らにも強姦は苦手なのが()るんで、小さい子供を攫って、ちゃんと教育した上で……」

「や……やめて……」

 あはははは……。

 何だよ、このロクデモない世界?

 まさか「井戸に毒を入れてる」はデマだよね……さすがに……。

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