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プロローグ

 つい先日、ある有名なゲーム会社が、VRMMOの新作である「DLEAM DEELG」を発売した。

 売り込みは体感時間2倍で遊べる超広大なオープンワールドに、王道ファンタジー要素の強い世界観。そして、プレイヤー同士が集まってクランというチームを作って競い合う、という充実したマルチプレイ機能。

 事前予約の時点でも1500万人を超えていて、それだけこのゲームへの期待度が高いのがわかる。

 これはそのゲームの一人のプレイヤーのくだらないお話。


 

「とうとうやってまいりました、VRMMOの一式セット!いやぁ、夏休みでバイト戦士やってた甲斐があったってもんよ」


 俺はいたって普通の高校生の"松金祥真"。どれくらい普通かといえば、捉え方次第にはなるが、少なくとも俺の定義では普通の高校1年生なのは間違いない。


 俺は玄関に置かれている大きな段ボールの前でテンションを高くしていた。

 二階の自室に段ボールを運んで、早速準備をする。


「さて、目指すはやっぱりクランに入ってランキングに載るところかな?それならやっぱり、Zランクのクランのメンバーになりたいなあ」


 このゲームのクランには特定のポイントに応じて順位がつけられる。順位に応じてランクが組み分けされて、Zランクは中でも10位以上の真のトップに与えられる称号だ。

 ハイテンションで独り言をぶつぶつと言いながら俺は準備を進めていく。

 やがて作業が完結して、俺はウズウズしながらVRサーモを装着した。


「よし、準備完了!ここから俺の伝説は始まるんだ!!スタートっ!!」


 期待を最大限までに膨らませた俺は、大きな声で叫びながらVRの世界に身を投じた。

 


 









 それから一か月後。


「…よしここだ、黒にオールイン!」


「あんた勝負師だね!さぁこいつはどうなるかな…おっと、黒の17だ!」


「なにぃ!?ここで当てやがっただと!?」


「兄ちゃん流石だぜ!大当たりだな!」


 ランプの灯があたりを照らす中、集まっていた人だかりが歓声を上げる。

 その中心のテーブルで、俺はルーレットに興じていた。

 つまるところ、ギャンブルだ。

 ちょうどオールインからの大勝ちを決めたところで懐も心もぽかぽかだ。


 …VRMMOはどうしたかって?

 何を言っているんだ?ここは間違いなく「DREAM DEELG」の世界だ。

 …簡単に説明すると、俺はZランクには程遠いギャンブラーになっていたってことだ。


 毎日ゲームを始めたら、数時間資金集めをして、その7割をギャンブルにつぎ込む日々。

 あえて3割残しているのは、いずれはここのカジノを買い取って大きくして、毎日ギャンブルやり放題の自分の城を作るためだ。

 当初思い描いてた夢とは全く異なるものになったが、俺はカジノ王の野望を叶えてみせる。

 

オールイン 持ち金の全てを賭けに出す行為。勝てば極楽負ければ地獄。

☆―――――――――――――☆

ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。

誤字脱字や辛口評価等も大歓迎です。

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