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29、【元王太子エルネスト(ネフィスト)視点・その2】

で、結局。ボクの寝室には閨指導係としてサーラ嬢が送り込まれたわけ。

え?手を付けたのかって?何言ってんのラウラ嬢。サーラ嬢がそうやって閨指導なんて言ってボクの寝室に放り込まれた時、ボクはまだ七歳とか八歳とかの時だよ?男女のあれこれなんてヤルことなんで出来るわけないじゃない。精通だってまだだったのに。サーラ嬢だって未婚の処女だよ?そーゆーことなんて、結婚したら夫となる人に逆らわず、受け入れるのみ、みたいな教育しか受けていないっていうのに、ボクをどうこうなんてできるわけないんだよね。当然絵本を読んでもらったり、歌を歌ったりして楽しく過ごして終わりだよ。

それでどうしてエドアルド・デ・ドルフィーニなんて息子が生まれたのかって?

ああ、それね。

ギドがさあ、ボクとサーラ嬢がちゃんと閨を共にしたかどうか、調べるとか言い出して。ホント気持ち悪いよねあの男。ボクとサーラ嬢がそういうことしていないってわかっていってるに違いない。してないなら、さっさと済ませってまあ、そういう脅し的なことをサーラ嬢に言ったんだよね。

困って泣き出したサーラ嬢にいきなり求婚したのがボクの後ろにいるイヴォンだよ。当時はボクの護衛だったんだけど。

イヴォンは、サーラ嬢を見た時に一目惚れしたんだってさ。

「サーラ嬢を愛していますっ!ですから自分を相手に選んでくださいっ!」ってねえ。

いやいや、愛の力ってすごいねえ。

別に茶化してなんかいないさ。君はすごい。サーラ嬢だって熱烈に愛を告げらえて、君を好きになってしまったんだしね。

そういう訳で、ラウラ嬢、君の元婚約者であるエドアルド・デ・ドルフィーニ伯爵令息は、このイヴォンとサーラ嬢の息子というわけなんだよね。

え?もちろんギドは知ってるよ。

サーラ嬢もイヴォンも真っ正直な人間だからね。黙ってればいいのに言っちゃったんだよね。


で、結果。サーラ嬢は今もドルフィーニ伯爵家で軟禁同然の暮らしを送っている。

イヴォンはギドに見つかったら殺されるだろうからって、ボクと一緒にこの西の離宮でかくまってもらっているってわけ。そのいきさつも色々あるんだけど、まあ、フラヴィオ異母兄が優しいっていうか甘いから……なのかもね。その話は機会があれば、またいつかにね。


ボクは対外的にはフラヴィオ異母兄によって死んだことになっている。

ホントはこうやって生きているけど。


だってねえ……母が死んで、でもボクが生きていたら。

親イラレア王妃派の奴らが黙っていないよね。

ボクを旗印にして、フラヴィオ異母兄から王位を取り返すとか鼻息荒く言ってきて、それでもってまた内乱勃発になるだろう。

だから、ボクは死んだことにしてもらった。

死体?偽造したよ。

バレなかったのはどうしてって?そりゃあイラレア前王妃の死体が本物であれば、ボクの死体がニセモノだなんてだーれも思わなかったからね。


だけどねえ……この期に及んでギド達、親イラレア派はねえ、諦めが悪いっていうか、もはや妄執っていうか。エドアルド・デ・ドルフィーニ伯爵令息は実イラレア前王妃の孫であり、正当なる王だなんて言いだすとはね……。馬鹿々々しい。


フラヴィオ異母兄上、その対処に今追われて、ようやく出会えたラウラ嬢とイチャイチャする時間を奪われて怒りまくっているかもね。


まあ、そういうことで、ラウラ嬢、十四年前からの因縁はまだまだ続いているわけ。ごめんね。でもいい加減にフラヴィオ異母兄上が何とかしていくんじゃないかな……?



お読みいただきましてありがとうございました。

次回からラウラ視点に戻ります。


最終回まであとどれくらいかな?まだ計算出来てはいないですが、希望としては10話くらいで完結したいと思っております。

最終回までお付き合いいただければ嬉しいですm(__)m

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