7月17日,18日,19日(3回目)
魔の16日を突破してからはとても順調だった。3度目の17日、俺はいつものように結衣を家まで迎えに行き、いつものように周りに警戒しながら学校へと向かった。しかし、そんな俺の心配は杞憂に終わり、何事もなく無事に学校までたどり着いた。学校内でも特に危険なことは起こらず、今まで俺が周りに細心の注意を払いながら生活していたのがウソみたいだった。
部長の言っていた通り、もう結衣が生きられる世界はどこにもないのではないかと少しだけ諦めかけていたが、やはり諦めなくて正解だったのだ。俺の愛が結衣を救ったのだった。
18日、19日も何事もなくその日を終えることができた。あとは明日、2度目の20日を無事に終えることができれば、俺はついに未来へと進むことができる。もちろん結衣と一緒に。あまりの嬉しさに、つい涙が出そうになる。ずっと願っていたことが、ついに現実になりそうなのである。本当に諦めなくてよかった。
本当に長い5日間だった。この場合、5日間という表現で合っているのだろうか。何となく違う気がするが、残念ながら俺は馬鹿なので他に表現の仕方が思いつかない。あの永遠に続くかとも思えた地獄のような16日。あの日の思い出も、いつか俺が大人になれば良い思い出だったと振り返ることができるのだろうか。いやさすがにきっと無理だろう。好きな人が何回も目の前で死んで良い思い出なわけがない。
ただ一つ言えるのは、未来の俺はあの日の俺を永遠に誇ることだろうということだ。もし俺があの日諦めていれば、俺と結衣が一緒に生きる未来はなかったのだ。そう思うと、本当に恐ろしい気持ちになる。
とりあえず、明日も油断せずに結衣のことを見守ろう。彼女を救うことができるのは俺しかいないのだ。
俺は自室のベッドで横になりながら、そう心に決めた。