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無限の才能  作者: あげもみじ
転生そして成長
3/15

思ってたのと違う

 チュン、チュン、チュン


「ふぁー、朝か」


 小鳥のさえずりを聞き、僕は目を覚ました。今日もまた1日が始まる。よし、冒険者として仕事をするかー。ここは異世界だからね!


 異世界に行ったら、こういう生活をするんだと思ってました。


 現実では、


「拓也ー、朝ごはんよー」


 母さんの声が聞こえる。拓也?そう、これが僕の名前。加藤拓也かとうたくやと申します。って、おーい!めちゃめちゃ日本人じゃねーか!異世界って言ってたから中世ヨーロッパじゃねぇーのかよ!ウィリアムとかの名前じゃねぇーのかよ!


 はぁ、はぁ、ちょっと興奮しちゃいました。僕のツッコミの通り、この世界はめちゃめちゃ日本にそっくりなんです。なんなら地球にそっくりです。一応異世界みたいですが、思ってたのと違いすぎるー。まあ、もうしょうがないので朝ごはん食べます。


 一階のリビングに行くと、父、母、妹がすでにご飯を食べていた。僕の家族には兄もいるのだが、全寮制の学校に通っていて、家にはいない。


「いたたぎまーす」


 今日の朝ごはんは、焼鮭と卵焼きだ。まあ、普通の朝ごはんだ。そんな風にいつも通り朝食を食べていると、冒険者ニュースの時間がやって来た。


「今日の、冒険者ニュースです。昨日、高校1年生の秋山晃樹あきやまこうきさんが16歳の若さでS級冒険者になりました。これは、日本人歴代最年少でS級冒険者になった、及川光おいかわひかりさんの19歳を大きく上回る若さです。秋山さんのS級昇格により、日本人のS級冒険者は13人となりました。昨今の若者の冒険者志向の結果が如実に現れている模様です。」


 というニュースがテレビから聞こえて来た。


「ほう、16歳でS級か。これは、俺も頑張らなくてはな」


 この人は、僕の父で現在日本にいる13人のS級冒険者の内の1人、加藤龍介(かとうりゅうすけ)、45歳。


「もう、それ以上頑張ったら体壊すわよ。ほら、時間ないんだから喋ってないで早く食べなさい」


 この人は、母親、加藤瑞穂(かとうみずほ)。母さんも冒険者だったが、結婚を機に辞めている。元々A級の凄腕冒険者だったらしい。


「はいはい、分かりましたよ。それより、拓也はまだ冒険者にならないのか?」


「うん、中学卒業するまではならなくていいかな」


「そうか、早いうちから冒険者になっといた方が良いんだけどな」


 父さんの話の通り、この世界では中学生から冒険者になる事が出来る。これは、12歳までに全員にステータスが与えられるこの世界ならではの仕様だ。そのステータスが、冒険者向きの人は中学生のうちから冒険者になるのは普通のことだ。


「まあ、気にしないでよ。僕なりに考えがあるからさ」


 そう言って、ご飯を食べ終え中学に行く支度をする。僕は今、中学2年生で近所の中学校に通っている。この世界には冒険者を育てる中高一貫の学校があるが、そこには通っていない。兄は、その中でもエリートしか入れない、日本冒険者学校に通っている。その学校にはA級以上の冒険者の推薦か、スカウト、定員30人の高校からの編入でしか入学することが出来ず、兄は父に推薦してもらったってわけだ。僕もそこに入れたけどスキルを把握されてしまうので行かなかった。実は、父さんや母さんにも僕の本当のスキルは教えていない。


 僕が、神様に貰ったスキルはレジェンダリースキルと言って、持っていたら問答無用で国に管理されてしまう存在だ。今現在、世界には3人のレジェンダリースキル保持者が確認されていて、全員国に監視されて生活しているらしい。そんな生活はまっぴらごめんだから、神様に貰ったスキルは誰にも言えないでいる。さて、そろそろ学校に行く時間だ、急がないと。


「行ってきまーす」


 僕は、玄関を出て門まで走る。親がS級冒険者なだけあって豪邸なもんだから、門までの距離が50mもある。贅沢かもしれないけどもっと普通の家でよかったのに。


 門を出て学校まで走っていく。学校までは、走って10分ぐらいの距離だ。車で送ってもらうこともできるけど、なんかジロジロ見られて恥ずかしいから走っていくようにしてる。おや?あそこにいるのは勇太じゃないか。


「おはよー、勇太」


「お、拓也か。おはよう」


 こいつは、斎藤勇太(さいとうゆうた)。小さい頃からの友達でなかなかのイケメン。背は僕より少し高い178cm。ちなみに僕は176cm。髪型はマッシュヘアーで今時って感じだ。学校では、モテるくせに彼女はいらないとか言ってるちょっと変なやつ。勇太の家も親が有名なA級冒険者で日本冒険者学校に行けるはずなのだが、謎に僕と一緒に近所の中学に通っている。


「そんなにのんびり歩いてると、遅刻するよ」


「そうだな、よし走るか」


 こうして、僕たちは走って学校まで行き、ギリギリ遅刻は免れた。


「お前ら、今日もギリギリか。後5分早く来いよ」


 と、今日もいつも門の前にいる体育教師に怒られた。


「5分も早く学校に行くなんて無理だよね」


「同感、これでも早く起きてるっての」


 そうグチをこぼしながら教室に入っていく。今日も、だるい授業が始まる。


妹の紹介は、次回

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