第六階層
E級冒険者に昇格してから1週間が経った。今日は、初めて四ツ谷ダンジョンの6階層に挑戦したいと思う。いつものように四ツ谷ダンジョン前で待ち合わせをしていると、美月と美優がやって来た。
「お待たせー」
「お待たせしました」
「それじゃあ、早速行こうか」
僕たちは、ダンジョンの受付を済ませ今は、ワープゲートの前にいる。このワープゲートはどこのダンジョンにもあり、中ボスを倒すと使えるようになる。ワープゲートは6階層に繋がっており、1〜5階までをクリアする手間を省けるのだ。
ワープゲートの管理人にE級冒険者カードを見せ、僕たちは6階層へとたどり着いた。6階層も今までと変わらず洞窟型のダンジョンであった。冒険者協会の情報によると、四ツ谷ダンジョンの6階層から下はコボルトだけが出てくるそうだ。ここから先には、中ボス部屋で戦ったコボルトとは違い、正真正銘のE級のコボルトが出てくるらしい。
「よし、それじゃあ油断せずに進もう」
「うん」「はい」
パーティメンバーにそう声をかけ、攻略モードに切り替え、6階層を進んでいく。5分ぐらい歩いたところで、前方からコボルトが3体近づいてくるのが見えた。中ボス部屋で戦ったコボルトとはオーラが全く違っていた。手には剣を持っており、ボロいが防具まで身につけている。早速僕はコボルトに鑑定をかけた。
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コボルトファイター lv.8 (E級)
称号:
HP:180/180
MP:10/10
STR:21
DEF:19
AGI:20
INT:10
LUK:5
スキル
L :
U :
N :初級剣術.6、超嗅覚
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うわ、中ボス部屋にいたコボルトより一回りは強いな。まあ、勝てない相手ではない事は分かった。僕たちはスライムの時のように1人1体を相手にすることにした。上手く1体づつを引きつけたところ、早速コボルトが襲いかかって来た。コボルトの胴を狙った攻撃を転がるように躱し、コボルトの背後に立ち、そこから首を狙った攻撃を放つも剣で防がれてしまった。やはり、中ボス戦のコボルトとは桁違いに強くなっている。
そこからは、小細工なしの本気の斬り合いとなり、初めは拮抗していたが、徐々に僕の方がコボルトにダメージを与え始め、最後は心臓への突き刺しでなんとか勝てた。ステータスでは負けていたが、スキルのレベルが上だったので勝てたのだろう。
戦闘が終わり、他の2人を見てみると、今日も美優は僕より先に戦闘を終えていた。やはり、E級冒険者になってから結構経つ美優では、これぐらいのコボルトは楽勝なのだろう。
美月の方へ目を向けると、こちらはまだ戦っていた。しかし、スライムの時とは違い今回は勝てそうだ。美月の相手のコボルトは片目が潰れていて、腕も折れており、すでに満身創痍だ。美月は大人しそうな見た目をしているが、結構エグい戦い方をする。そう考えていたところ、美月がコボルトの首を切り落とし、戦闘が終わった。
この後、僕たちはコボルトを10匹程倒してダンジョン探索を終わりにし、家に帰った。家に着き、自分の部屋でステータスを確認したところレベルが5に上がっていた。