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3-42 サポート

「サポート?」

「はい。私、生きていく中で、これからも色んな気になる謎や、その人一人では解決できないような苦しみを抱えている姿を見ることになると思うんです。私がそれに対してなるたけ誰も傷つけずに解決させられるように、嘉手島さんに傍にいてほしいんです」

「傍にいてほしいってお前、付き合っている彼氏はどうするんだ? 学校が始まったら、俺と一緒にいれば何かひと悶着起こるし、お前の評判だって悪くなる」

 飯倉はきょとんと眼を丸くして、俺を見つめる。

「カレシ?」

「先輩だよ。お前、弁当作ってただろ」

「あの人は、私の恋人じゃありません」

「別れたのか」

「違います」

「でもお前……、付き合ってくれ、俺のために弁当を作ってくれ、って言われてたよな」

「はい。でも、それだけです」

 いやそれを恋愛関係っていうんだろう。

「相手はそう思ってないかもしれないぞ」

「いえ。先輩からは、またいじめに遭っちゃいけないから、もう弁当を作ってくれなくてもいい、と放課後言われました。それからお話をしていません」

 俺は駐輪場で二人が何か会話をして飯倉が頭を下げていた時の事を思い出した。

「ふーん。何でだろうな」

「さぁ、突然でしたので。先輩に聞いてみない事には分かりません。――そうですっ」

 飯倉が両手をパチンとあわせる。

「なんです?」

 俺は口調をあわせて訊ねる。

「嘉手島さんが私をサポートして下さるということですので、そのお礼に私が弁当を作ってきてあげます」

 いつ決定事項になったんだいつ。

「まずいですか?」

「……いや。まぁお前も俺の弁当食べてたし、今度はこっちの番かな、って。でも飯倉、いいのか」

「何がですか?」

「俺はお前が単に弁当を作ってきてあげてる、とは取らないかもしれないんだぞ、って事だ。お前のこと……好き、って言ったらどうする」

「好きになるのは勝手だと思います」

 さすがにその答えは腹に据えかねるものがある。

「でも、私、嘉手島さんと一緒にいると、何だか安心します」

 俺は無言で飯倉を見つめると、その手を取って先に歩き出す。

「今日はもう遅い。この話はまた別の機会にしよう」

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