ピンチ
お久ぶりです。待たせてしまい申し訳ありませんでした。
どどどどどどうする。このままだと家に帰れない! この馬鹿真面目な警察と話をしなければならない。
「なにをしても逃げられないぞ。なんていったって手錠を掛けられているんだからな。君は」
ニヤリとご機嫌そうな笑みを浮かべる。
ないか……この警察を撒ける方法はッ! きっとあるはずだ! 俺は思考を廻らせる。今までにないくらいに。
デスドラム戦争でもここまで思考を使ったことはない。しいて言えばバルムンクの丘での戦い。
そうあの時は……って回想している場合じゃないぞ! バカか俺!
「さあ話すんだ。君とあのヤンキーになにがあった?」
警察が眉を顰めてそう俺に問いてくるが、俺はその問いをスルーし目を閉じ思考を廻す。すると脳裏にある策浮かんだ。
いやこの策ではどう考えても警察を撒けるはずがないぞ。こんなガキっぽいアイディアに引っかかる大人なんて見たことがないし……だがこの際仕方がない。
「オイ警察。あのヤンキー最後の小学生っぽい暴言を吐いて逃げたのだが。その後にもなにか言っていたらしい。」
「そんなことは今どうでもいいだろう。ボクはあのヤンキーと君に何があったのかを聞きたいのだ。そんなくだらないこと、どうでもいい」
「いや俺とヤンキーの関わりもどうでもいい分類に入ると思うぞ?」
「いいから話せ。こっちだって貴重な時間を使って君と話しているのだ」
「いやその貴重な時間を使ってまで俺とアイツのくだらない関係を知りたいの? 一言で言うとなにもないぞ? 俺とアイツには。それより俺の話を聞いてくれ」
苦虫を嚙み潰したような顔でハアとため息を吐き。
「わかった。じゃあ君の話を聞いてあげるから、その後にちゃんと君とあの青年になにがあったのかをありのまま話せ。いいな!」
きた。今思ったことを言えばいいんだ。後のことなんて気にするな。ガキっぽいアイディアだろうが関係ない。
「実はあのヤンキー、ばーかばーかの後に明日警察署に仲間連れて襲撃してやる。それと今警察署の前でうんこするからと言っていたぞ」
するとピクリとなにかに怯えるように警察が震え、みるみる顔も青ざめていく。
これはもしかして襲撃にビビッたなこの警察。やはりこの警察にも怖いものがあるのだな。
「どうしてそんな大事なことを早くボクに伝えなかったのだ君は!」
「貴様が俺とヤンキーのくだらない関係について話せ話せうるさかったからでしょうが!」
「駄目だ…………それだけは絶対に駄目だ……」
偉くダメージが大きかったようだ……多少罪悪感を感じるがこれは俺の邪魔をしたヤンキーと警察に罰を与えたということにしておこう。
「それだけは絶対に駄目だ」
確かにそうだよなあ。仲間連れて襲撃なんてされたら。
「警察署の前で用を足すなんてこと絶対に駄目だああああ」
「いやそっちぃ!?」
なんでそっちなんだよ! 用を足されるなんてことより襲撃されることのほうが百倍嫌だろ。迷惑だろ。
「掃除をしなければいけなくなるううう」
いやそこどうでもいい! アンタの優先順位はヤンキーの掃除よりも、ヤンキーの脱糞を掃除することの方が優先することなのか?
「早く戻ってあの高校生を止めなければァァァ!!」
そう叫びながらすぐさま俺の前から姿を消した。
俺は住宅地にポツンと一人残されたまま警察官が走り去っていった方を見ていることしかできなかった
これは....助かったのか?
次話も相当遅れてしまうと思います。
本当すいません