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漫才できなかった。

「やあいらっしゃい、入部希望の子かな?ようこそアカペ・・・合唱部へ!!」


 とまあ部員ですら合唱部であることを忘れるくらいなのでもうアカペラ部でいい気がする。


「いえ、今日は千佳ちゃんに誘われたので見学に来ました」


「なるほど。ではゆっくりしていってくれ。あぁ紹介を忘れてた。私は部長の千葉 愛だ。よろしく頼む」


「峰巴です。よろしくお願いします。」


 皆さんお忘れかと思いますが、私の上の名前は峰ですよぉ。。。


「千佳さん千佳さん、峰さんが虚空を見つめてぶつぶつ言ってるけど大丈夫なのかい?」


「あぁ、いつものことなのでスルーしてください。あと、その他挙動不審な行動をとることもありますが、こちらも同じくスルーでお願いします。」


「わかった。では人もそろったところで発声から始めるか。みんな集合してくれ!」


 部内10数人の”みんな”に含まれていない私は隅っこの机で練習風景を見る。

 前世でやってた練習と同じメニューで進んでく。このあたりはどこでも同じかぁ。とちょっとした発見。


「ともえちゃんともえちゃん!せっかくやし、ボイパで一緒にやろよ!」


「ほいさ。久々に腕が鳴るぜ!」


 久々にアカペラやりたいとは少なからず思っていたのでうれしい。


「峰さんはボイパできるのかい?」


「ともえでいいですよ。画面の前の皆が誰だお前?みたいな反応になるのは目に見えているので。あとボイパは少々嗜み程度にはできます。」


「ともえちゃんは敬語になっても話の内容はいつもどおりなので先輩は意味不明な部分はスルーして会話してください。」


「ボイパの嗜み程度にできるのはどれくらいかよくわからないけど、せっかく来てくれたのだし、お願いしようかな。今からやるのはこの曲だけど大丈夫かい?」


「ほう、これはまた懐かしい曲を。。。」


「いやぁ、どうもフォークソングの時代の曲が好きでって、この曲の時代にともえさんは生まれてないでしょ?」


「い、いやぁこのあたりの曲って雰囲気がすでに懐かしい感じするじゃないですか」


誤魔化せるか?


「確かに雰囲気がほんわかしてて良いよね」


ちょろい

 起伏なく練習は進んでいく。

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