日本人、日常が崩れ落ちる
初投稿作品ですね。
気分が沸いたら、随時投稿しますが、ないときは長期放置ですね
その男は平凡ではあったが、考え方が他の者達とは違い常識の欠落、知識の偏りが酷い男であった。
それでもその男がその場所で生きていけたのは、たった一人の理解者が居たからだろう。
「なぁ~神~クン?」
「なんだよ」
男は目の前でスマフォを弄っていたたった一人の友人に話しかけた。
「神~クンはこの世界が面白いと思うかい?」
男はただ単純な疑問を提示するように友人に問いかける。
「唐突に何を言ってんだ、お前」
「いや~だってさ~この世界が退屈で窮屈で面白みがないって思ったことは神~クンが思った事はないのかな?って思ってね~」
「お前は毎回毎回、変なところを考えるよな・・・」
「神~クンそれは違うさ!俺が変なところを考えるんじゃなくて、周囲の人間たちが考えないだけだよ!」
男はまっこと遺憾であるという風な雰囲気を出して友人にふざけた雰囲気で返答する
「はぁ・・・まぁいいけどさ、それで、この世界が退屈で窮屈で面白みがないってはなしだったか?」
「そうだよ!まったく神~クンはすぐに話を脱線させるんだから!」
ここに他の人いたら皆(いや、脱線させたのはお前だろ)と男に対して思ったことだろう
「どっちがだよ・・・まぁいい、そうだな・俺は別にこの世界が退屈だとは思った事はないな、窮屈とは思ったことはあるが・・」
「なん・・・だと・・・!」
男は予想外の返答を聞いたという風に驚く
「おいコラ、なんだその態度」
「いやだって~神~クン何を楽しみに生きているかわからないから、てっきり退屈で面白くないと思ってたのに」
男はほんとに何故友人が退屈と思っていないかわからないようだった
「俺が面白いと思って生きてるんだからいいじゃねぇか!」
「だって!神~クンだよ!?誰ともかかわらず、本読んでて、ボッチだった神~クンだよ!?」
「おいコラ、お前、しばくぞ!!」
友人は男のそのセリフは流石に腹に据えかねたようだ
「だって事実じゃないか!」
「いや、確かにその通りなんだけどよ・・」
「なら俺が怒られることじゃないね!」
男のその正論ではあるが言い方ってものがあるだろうと友人は思ったが懸命にもツッコムことはなかった
「はぁ・・まぁいい、この世界には娯楽が沢山あるじゃないか、お前は何がそんなに退屈なんだよ・・予想はつくけどよ・・」
「はっはははは!そんなの決まってるじゃないか!就職するにも資格とかが必要だし、面接とかも面倒じゃないか!」
「うわぁ・・完全にダメ人間の思考だな・・」
「誰がダメ人間だ!誰が!」
「お前だよ!その思考回路がどうなってるのか一回医者に診てもらえ!」
「ふははは!だが断る!」
「っ、このアホ!」
「何とでもいいたまえ!それにこの世界は窮屈なのには変わりないのだよ!」
男は握った拳を掲げる
「考えてみたまえ神~クン!今、この世界で起きていることを!人口は増加しているが職はあまりなく、さらに余裕が無いからかどうかは知らないが、虐めなどの増加!こんな世界が窮屈ではないと言えるのかね!?」
「はぁ・・確かに窮屈ではあるだろうさ、でも俺たちが行動を起こさないのにそんなこと言えた義理じゃないだろ?」
言いたいことを一度飲み込み友人は男をたしなめる
「そんな事はわかっているさ!だからこそ俺は異世界に行きたいのだよ!!」
「は?」
友人は男のいきなり脈絡もない言葉に一瞬頭の中が真っ白になる、そして理解が及ぶと心底あきれたという風に
「なぁ・・お前、大丈夫か?」
「なんだい、その顔はまるでコイツついにイカレやがったというような表情は!」
「なんだ、分かっているのか・・」
「コラ!神~クン!俺は真面目に言っているんだよ!」
それでも友人は
「そんな事を言ったってなぁ・・脈絡もなく異世界に行きたいとか言われても‥」
「神~クン、君は俺が何の考えもなくこんな話をすると思っているのかい?」
友人は一瞬の躊躇いもなく
「うん」
「おいおい!いかに俺がバカだからといって、それはないんじゃないかな!」
「いや、だってお前、いきなり異世界行きたいと言われて戸惑わないほうがおかしいぞ?」
「ぐぬぬ・・・」
深いため息を友人は吐き
「はぁ・・それで、行きたいからといっても行けるわけじゃないだろ、どうするんだ?」
「はっはは!そんなのは決まってるじゃないか!俺たちで理論を組み立て確立するのだよ!!」
友人は男のセリフに額に手をあて、(末期か)と仰ぐ
「で、その理論はどうやって組み立てるんだよ」
「はっはははは!神~クン!それは既に組み立て終わっているのだよ!」
「は?今なんて?」
友人は絶句してそう聞き返した
「はっはははは!神~クン!この歳で難聴とはいけないよ!あぁ!理論は組み立て終わったといったよ!」
「お前は・・・どうやればそんな理論を組み立てることができるんだよ!」
「そんなのは俺が異常だからだよ!」
そんな男に友人は納得がいかないかのように懐疑心に満ちた表情で
「それで、本当に組み立てたのか?」
「うむ、材料的に今の俺たちでは作り出せないどろうけどな」
そのセリフを聞き友人は何故かホッとした
「そうか・・どうせ材料にアダマンタイトとかいう空想上の鉱物を使うんだろ?」
「お、神~クンよくわかっているじゃないか!」
そろそろ本当に男の頭が心配になってきた友人であったが、自らも多少は興味があった為先を促す
「それで・・空想上の鉱物なんてどうやってみつけるつもりだよ・・」
「はっはははは!別にアダマンタイトが必ず必要ではないのだよ!長期保存のメンテがいらなくなると言うだけでね!」
「つまりだ・・お前は他の材料でも作れると?」
男は友人のそのセリフにニヤリと笑い
「ふははは!現在ある材料でも作ることは可能なのだよ!ただ・・・金がない」
「一気に生々しくなったな・・・」
「仕方ないだろ、俺たちの年齢で大金もってんのは株で成功してるやつとかぐらいだろう・・」
男は心底残念と肩を落とす
「はぁ、なら金がたまって実現できたらいいな」
「うむ・・」
そこで昼休み終了のチャイムがなった
「おっと・・もう終わりか」
「ぐぬぬ、神~クン!次の授業にいくぞ!」
「はいはい」
そうして、彼等は教室を出て次の授業へと向かった。
その後無事、何かのラノベの様にお嬢様学校へ拉致されることもなく、海外の様にテロが起きる訳でもなく、何時もような退屈な日常を消化し、男は帰路につく。
そして、風呂に入り、ベッドで就寝した。
男が眠った後の深夜、男の部屋の前の道路をジョギングしていた人によると男の部屋を眩い光が包んでいたという。
この日、日本の複数の場所で同じ現象が見られた。
この現象の原因は解明されなかったが、共通してそこに居たであろう人間が消えていた。
のちに「閃神隠し」と呼ばれる。
このことを次の日、男が来ないことを不思議に思った友人が家に行き、彼女の脳裏にあることがよぎり、その後、彼女は科学の分野を突き進むことになる。
その時の必死の形相により周囲の人達は彼女が何を思っていたのかを察した。
読んでくださり、ありがとうございました。
批判なども受け付けています
誤字脱字また、読めないモノがありましたら、その部分は直していきます。