終の剣【三剣士とイツカの関係・・・そして謎の女王】
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俺は三剣士を人間体に戻した後、【ブレイクスピリット】の反動でぶっ倒れた。
気を失う前に見た姿に妙に見覚えがあって、三人の姿が何百年も生きている大人に見えなくて、違和感を覚えた。
そして思い出した。その光景は、死んだ時の光景にそっくりだって事が。
その時、助けた子供の数も、髪の色も、雰囲気も、一致する。まさかと思っていると。
「…………きてよ。ねぇ、起きてよ、桐島さん!」
「…………きて! 起きて! ……桐島さん!」
「…………きろ! 起きろよ! 桐島さん!」
目が覚めると泣き顔で、顔を張らした三剣士がいた。
「あの……ひょっとして、俺が助けた三人の子ですか?」
俺が三人そう聞くと、三人は同時にコクリと頷いた。
三人とも俺の事を苗字で呼んでいたし、そういう事なんだろう。とりあえず、これから、どうしよう?
俺はそう考えながら、勝利の空を仰いだ。
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「やっぱり、駄目か――――。ま、いいけどね。データは手に入ったし、さてと、【三剣士】とあの冒険者! いいね。ゾクゾクするよ。これからも、おもちゃは用意して置くからさ。もっともっともっともっとぉ! 僕を楽しましてくれ! これだから! 世界は堪らない!」
バッキンガムは手に魔導機で得たデータと、【三剣士】を見て、満足そう高笑いし、この先の事を想像して笑みが止まらなかった。
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「望む望まないに限らず、これからも、あなたたちは戦いに身を投じる事になるでしょう。民のために、人のために。彼らが描く、戦いの軌跡はまた別の機会に話しましょう」
アテセの宿で、そう一人の女性が、身振り手振りで語った話を語り終える。
「ええ!」
「早く続き聞かせてよ!」
「やだ! 続き聞きたい!」
「やだ、やだ、やだ、やだ、やだ!」
子供たちはそうごねるが、その女性は何処吹く風である。
それをメグがじっと聞いていた。
そして思わず、聞いてしまう。
「あんた何者だ?」
それを聞き、女性が答える。
「なに、ただの通りすがりの女王です♪ 彼らにはまだ頑張って頂かないと!」
女王と名乗った女性はウフフフと、不適な笑みを浮かべていた。
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これにてトリニティブレイドは完結です。最後まで、読んで下さった読者の皆様ありがとうございました。
いつかまた次回作でお会いしましょう。
ではまた。