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六の剣【三剣士推参!】

△∮▽



 俺達は、ようやく【ダレン】に向かう事になった。今まで俺が、移動してした手段を話そうと思う。

 簡単に言うとバイクだ。難しく言うと、二輪駆動魔導機【グレン】である。【魔導機】とは簡単にいうと魔封石が道具になっただけのものである。魔封石のように、物その物に魔法式が組み込んである。そのため魔力を流すだけで、その【魔導機】は稼動する。それをバイクにしたのが、俺の【グレン】というわけだ。しかしバイクでは、三人そろって移動できない。というわけで俺は魔導機【マジックバック】からサイドカーを出し、【グレン】に連結させた。そして、アルマをサイドカーに、メグを後ろに乗せ、俺達は【ダレン】に向かった。



△∮▽



「おい、あとどれくらいで、着くんだ? 尻がいてぇ」


 メグが後ろで愚痴を言う。


「二時間くらいだ。それから、メグ、お前、女なんだから、汚い言葉使うなよ」


 そんなメグの言葉を聞き、俺はメグを注意する。


「うるせぇ、ほっとけ」


「……そんなにツライなら、……私と変わればいい。……こっちはかなりいい乗り心地。……どうする?」


 逆にアルマは何故か仕切りに、俺の後ろに乗ろうとする。


「なんか、ヤダ」


「……そう、残念」


 メグの言葉を聞いて、落ち込むアルマ。

 ここ、はっきり言って乗り心地悪いけど、そんなに乗りたい?


「ジャンケンで決まったから、文句言わないでアルマ先生」


 そう言うメグに、アルマは手を開いて、恨めしげにその手を睨んだ。


「……あそこで、チョキを出していれば……」


 そんな二人の様子を見て、空笑いしか出なかった。

 突然、メグが何かに気付いた。


「イツカ、あれ、何?」


 メグが指を指した方にいたのは、黒い鱗をしたドラゴンだった。しかもこっちに向かって来ている。


「狂竜だ! マズい! 二人とも速度を上げる! しっかり捕まってくれ!」


 アクセルのスロットを全開にする。


「うわぁ!」


 メグが驚きの声を上げる。

 狂竜。それは、正気を失い、狂ったドラゴン。

 ドラゴンは元々、大人しい気性で、よっぽどの事が無い限り、襲ってくる事はない。ただ黒い鱗の狂竜は、激しい気性で、人間を襲う。俺はしばらく【狂竜】を狩りまくっていた。それゆえに、狂竜の凶暴性は良く分かっている。

 とにかく、二人がいては、戦えない。逃げの一手である。


「グォガァァァァァァァァァァァ!」


 狂竜が俺達を追ってくる。

 すると、目の前を影が二つほど通り過ぎた。


「ちぇすとぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!」


 そんな怒鳴り声が聞こえ、直後、爆音が聞こえる。

 思わず、バイクを止め、反転する。

 そこにあった光景は、ドラゴンの体が地面にめり込んでいるという不思議な光景だった。すると、その二つの影の片方が何かを言う。


「アラミス。翼を拘束して」


 それにアルマが反応し、サイドカーのシートから飛び上がる。


「……合点」


 アルマは、首から下げていたロザリオの、下の部分を切り離し唱える。


「……伸びろ。【ニョイキンコソウ】」


 するとその切り離した部分が、見る見るうちに大きく長く伸び、槍になる。


「……氷よ、形を成せ【アイスフォーク】」


 今度は魔法だ。魔法によって、槍の穂先に氷が伸び、穂先が二つに別れ、柄は伸び、巨大な刺又のようになる。


「……えい」


 それを狂竜に向かって軽々と、投げつけた。巨大な刺又は、狂竜の背中を通して、両方の翼に深々と突き刺さった。


「グギャァァァァァァァァァッッッッッ!」


 狂竜は悲鳴を上げ、立ち上がろうとするが、顔を上げるともう一人が、剣を構え、背中に炎を背負っていた。


「炎よ、飲み干せ【ボルクイーター】」


 その呪文の後、炎は膨れ上がり、狂竜を飲み込み、跡形も無く消し去った。


「凄い」


 メグが素直に感想を言うと、二人の影にアルマが並ぶ。


「我らは国のために」


 赤髪の影、アテセが、剣を前に掲げる。


「我らは弱者にために」


 アルマが元の大きさに戻し、槍を前に掲げる。


「我らは一人の民のために」


 そして緑髪の影、ポリーが前に出て、大剣を前に掲げる。


「「「我ら、王国に忠誠を誓いし剣士! 三剣士推参!」」」


 それぞれがキメポーズを決めると、三人の後ろで配色の違う爆発が起きる。


「「は?」」


 そして俺とメグは図らずとも、三剣士と出会った。



△∮▽

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