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「大丈夫だ、ナナちゃん」俺はいった。「俺の魂は一ミリも汚されてはいないよ」
ケツの穴からどろりとした感触。
胡散臭い人物を見る面持ちで、ナナコ女史が俺を凝視してる。
「ぼさっとしている暇はないようだよ」レオギがいった。
視線の先には迷彩服の連中……もう、やめてくれ……
「飛ぶよ、チョーさん!」崖の先を指差す。
「いや……無理だろ……」
「人間やればできないことはないんだよ!」
レオギはそういって、跳躍のポーズ。
「まず、僕が見本を見せるから、チョーさんも後に続いてよ!」
*
浮かびあがる。鮮やかだった……まるで、白鳥が羽ばたくようにレオギの身体は上空を舞っていた。レオギのくせに生意気だ……ドヤ顔で着地。満面の笑み。
「チョーさん、私、無理みたいです」座り込み足首を押さえるナナコ女史。「捻っちゃったみたいです。私のことはいいから先に逃げてくださいですよ」
──そういう訳にはいかないのだよ!




