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「あんたに礼をいっておくよ」ゴリラ野郎は続ける。「今だからいえるんだが、あんたがあの茶屋で東京にばっくれてたら、俺もこの任務を途中で放りだしていたに違いない」
「よしてくれ」柄にもなく人情面したゴリラ野郎にイライラした。「俺はあんたを利用した。あんたも俺を利用しただけだ」
「あんた素直じゃないねえ。捻くれてるっていわれないか?」
「いわれたことないねえ」
俺たちは死神に魅入られている。さっきから死亡フラグが立ちっぱなしだ。
「とにかく、最後になるかもしれないから、これだけはいわせてくれ」
ゴリラ野郎がいった。俺は奴の背後の気配に気がつく。
「俺たちは良いチームだったよ」
踵──なんの前兆もなく、
その一撃はゴリラ野郎の脳天にむけて叩き落とされる。
「あああああ」と唸り声が山間に木霊する。
ゴリラ野郎は既の所で横に避けたのだが、踵が奴の方を直撃、痛そうな表情でもがき苦しむ、おそらく肩は外れてる、闇の奥からそいつのシルエットが炎に照らされ浮かびあがる。
「シムラー~~~~~」おもわず俺は叫んだ。




