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3-15

「若い時に悪さが過ぎましてねえ」「これはその愛の代償なのですよ」「私は寂しい老人です」「わかってもらいたいのだが、あなたの妻に危害を与えるつもりは毛頭ありません」「今の私は美しいものをめでることしかできない人間なのだから」「あなたの美しい宝を、どうかほんのひと時、愛させてもらえないでしょうか?」


     *


 一体どういうことだ?──老人の言葉がさっきから何回も俺の頭のなかを駆けまわっていた。


 イライラして、なにも手につかなかった。


 鼓動が早くなる。息を飲み込んだ。


 ゴリラ野郎が俺になにかいっているようだが、意味不明で聞き取ることさえできない。


 廊下を複数の人間が進む音──ナナコ女史の足音が混じっている。


 引き戸が開かれる。彼女は以前とはなにかが変わってしまっていた。


 もう、全てが手遅れなのだと俺は悟った。


 艶やかな紋錦紗(もんきんしゃ)の着物──モノトーンの半襟──うなじを見せ、


 髪は緩やかに結いあげられていた。

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