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会話は続かない。
押し黙り、ただ道を進む。
やがて街道から街並みが開ける、しかし、その場所は──
昭和だった……見渡す限りに昭和を彷彿させる街並み……クリーム色の公衆電話ボックス、アンテナの突き刺さったブラウン管のテレビ、婆さんが斜め45度から打撃を加え、画面が正常に戻る、真っ赤っ赤な円柱型ポスト、喫茶店の張り紙には、レスカあります、冷コーあります、クラシックカーが砂利道を走り去る、扇風機、団扇、古びた風呂屋にボーリング場、地上にむき出しになった電柱、鉄塔と送電線、ガードレール、**横丁、アーケードの掛かった商店街、橋、足湯、どデカいソフトクリームの置物、ボロ切れみたいな耳鼻咽喉科、猥雑とした雑貨店……
「YO!」背後から突然男がいった。ゴリラ野郎。いい気なもんだ。「どうやら死ななかったようだな!」




