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「酷いよ、チョーさん」そういって俺に抱きつく。彼女の柔肌。触れて鳥肌が立った。「俺の女とかいっといて、この期に及んでなんなのさー。ホテルではやる気満々だったくせに」
「自分を大切にしなさい」俺は彼女を引き離す。「君は君の病気に負けてはいけない。パパじゃない……パパじゃない、本当の君の運命の人に巡りあって、その人を愛しなさい」
格好つけてもなんの意味もなかった。
本能に負けて……俺は本能に負けて……彼女を抱きさえすればよかったのだ……だが、俺はそうしなかった……つまり、俺は……どんなに綺麗な理由を見繕っても……単にビビってしまった……ただ、それだけなのだ……
*
〉無事だったか~?! 探したぞ~!!
「?…………」
〉無事でなによりだ~!! ところで、今後のことなのだが~??
「……?……」
〉この辺りに、俺様の生まれ育った里がある~!?
「………?…」
〉なんとか、ふたりしてたどり着いてくれなのだ~??
「…………?」
スマホの画面には可愛らしげなスタンプ。どう見てもお猿であるが、ゴリラ野郎のことをモンチッチーと呼ぶのは身につまされる。




