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だけど絶望に取り憑かれたとしても、それが人生の終幕になるとは限らない。その時の俺の場合がそう。人生には得てして、かなりの確率でご都合主義が引きに越される。
ラッキーなことに生い茂る木の枝々がクッションの役割を果たしてくれたのだ。
この時には落下する速度はすでに緩やかなものに変わり──そして──俺はデブである。このシーンのラストは俺がデブだった為に助かったという笑えないジョークで幕を閉じた。
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都合よく持ちあわせていたマッチで蒔きに火をともす。内ポケットから煙草を一本捻りだした。俺の禁煙はまたしても三日目でこのザマだ。
すぐ隣には裸同然のナナコ女史。ぶかぶかな俺の上着を、素肌の上に羽織らせている。夜は静寂に包まれていた。聞こえるのはカエルの鳴き声──
「ねえ、チョーさん……」
いきなりナナコ女史は立ちあがると上着を脱ぎ捨て、俺の見ている前で、勢いに任せてブラジャーの前ホックを外した。豊かな両胸が、包んだ布地から露になる。
「ホテルの部屋のなかで私のことをどうするつもりだったか教えて欲しいの……」




