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「おい、どうなってるんだこれは……」


「チョーさん。それはいわない方がいいですよ」


 隣からナガハラ・レオギがいった。強制アップグレードが引き起こされた翌日の出来事。


 レオギはこの会社のナンバー2。


 つまり、俺にとって右腕のような存在だ。


「張り切り女子の逆鱗に触れると、トップでも首が飛びますからご注意ください」


 そういうと、さっさとどっかに行ってしまう。


 レオギに任してあるプロジェクトは非常に多い。


 その結果がこうして裏目に出てしまったようだ。


 俺は深呼吸して一歩踏みだす。


 股下ぐらいの丈。

 ハーフパンツから伸びるスラリとした二本のお御足。

 黒のレギンスが張りついている。


 ふくよかなお尻から徐々にくびれていくウエスト。


 背骨。鎖骨。柔らかそうな胸元をしっかりとライン入りのスポーツブラで覆い隠していた。


 重役出勤でまだ頭の回転が鈍っている俺の視線の先、ジムのインストラクターの如き服装で奇妙な動作をくり返すナナコ女史の風貌にもう釘づけだった。

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