3-1
裸の男女が、高級ホテルのベットの上で肌と肌を寄せあう映画のラブシーン。お約束のように困難を乗り切った男と女は互いを求めあってしまうのだ。
だけど、俺とナナコ女史の場合、そんな風にうまくはいかなかった。どうして、小説のなかの登場人物はあんな簡単に女と寝ることができるのだろう……
俺たちが辿った結末はというと→シムラーの放ったランチャーの弾がバンをかすめて爆発→その後どういうわけか、崖から転落→ありえないぐらいに笑えない展開。
ランチャーから放たれた三発目の爆撃は、俺たちのバンをかすりもしなかった。
だが、その一撃はここいらの森林を見事に吹き飛ばした。車体が浮く。
ブレーキなど効くはずもなかった。前方に崖。
バンはその勢いのままに崖底に落下していった。実のところ、あまり、記憶は定かではない。なんせ、ナナコ女史を救出することだけで精一杯だったのだから。
シムラーを乗せたバイクは、後ずさりするバンの突撃にあい、造作もなくなぎ倒されていた。だけど、シムラー奴のことを轢き殺すことはできなかった。
衝撃で首の骨をへし折られたバイク野郎を蹴り飛ばし、シムラーは忍者みたいに上空を滑走していた。まるで漫画だ。切り抜かれたワンシーン。




