35/76
2-22
木々の裂け目から夜の空が広がっていた。星が今にも降りそそいできそうだ。
泥道を走った。ステーションワゴン。俺たちをさらってきたミニバンが停められている。
ひと足先にたどり着いていたゴリラ野郎が手をまわしていた。
スライドドアからなかに飛び込んだ。
次の瞬間、アクセルが踏み込まれ、そのままミニバンは発進した。
「おい、これからどうするつもりだ?」
「俺にもわからんよ」ゴリラ野郎がいった。「逃げきれるかどうかもわからない」
奴の視線はバックミラーに釘づけになっていた。
俺は振りむいて、後方を確認する。
モーターバイクに跨った、迷彩服が俺たちのことを追いかけていた。
またしても、見知った顔──シムラー。




