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俺の目は奴の動きを完全には捉えることができなかった。奴の膝がゲリラの鼻を弾いたかと思うと、次の瞬間、顎を刈るように掌底で撃ち抜く。
奴は素早く足元を払った。
倒れ込むゲリラの頭上に全体重を乗せたエルボーを叩き込み、顔面の窪みに沿って親指を押しつけた。
「ギャー~~~~~」という長い悲鳴。
一瞬、なにが起こったのか理解できなかった。
奴は俺たちの方をむく。血まみれの右手、なにかが握られている。
どろりとした粘着性のその液体が、大量の血液とともに奴の手からこぼれ落ちる。
液体?……涙?……目だ……それは人間の目だ……
奴は眼球をお手玉でもするかのごとく弄ぶ。近づいてくる。
急に踏みとどまると、いとも簡単にそれを握りつぶした。
信じられない。
目の前にいるのは……シムラー……




