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黒の左翼ゲリラども数名が連中の侵入を拒むように突進する。
迷彩服ども数人を弾きだす。首筋をナイフで刺された迷彩野郎の鮮血が天井にむかって噴きつけた。
だが、もがき苦しむ同胞を踏み台に、背後から別の迷彩服が宙を舞った。
「糞」リーダー格の男が舌打ち。
迷彩服はタワーPCの一台にUSBを差し込んだ。
画面表示がブルーライトに反転する。
悪夢のようだった──5%のその表示。
「さっさと行け!」と覆面野郎が声を荒げる。
「なあ、この場所が連中に知られたんなら、もう終わりなんじゃないのか? 俺たちが逃げのびたところで焼け石に水だよ」
「安心しろ!」履いてますからとは流石にいわない。「組織からすれば我々の存在などただの捨て駒だ。同士を守る捨て餌にすぎない。拠点は世界各地にまだまだ存在している!」
だけど、と俺が絡みついたその時、左翼ゲリラのひとりが迷彩服にむかって突進した。
脚を狙っていた。強烈なタックルで両脚を掴もうとする。
だが、迷彩服の方が一枚、実戦経験はうわてだった。




