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地震でもあったかのように建物が激しく揺れた。
直後、覆面野郎の元に数名が駆け寄り、なにやら耳打ちした。
男の顔は黒のマスクで覆われていたが、その下に怪訝な表情が浮かんでいることは容易に想像することができた。
どうやら緊急事態のようだ。あまりにも多くのことがありすぎて、俺の神経は麻痺し始めている。もう、不安もなにも感じない。
「脳足りんのあんたらに、詳しく説明している暇はもうなくなった」
あまりに酷い……物臭だ……。
「部下があんたらを運ぶ。おい、モンチッチー」
モンチッチーというよりは完全にゴリラ。
後ろで怯えるナナコ女史を俺から無理に引き離し、彼女の身体を軽々と背負いあげた。
このゴリラめ!
リーダー格の男はイラつきながら言葉を繋ぐ。「できるだけ遠くに逃げてくれ!」
どうやら、山に捨て去る勢いである。
「おい、なにがどうなってる?」と俺。
「理解しなくていい!!」と覆面男。「命が惜しいなら、さっさと行け!!」
その時、クソやかましい爆発音とともに、正面のドアが一気に吹き飛んだ。迷彩服の男たちが一斉に駆け込んでくる。




